初夢

　元旦に最悪な初夢を見てしまった。
　どこかの外国旅行の団体ツアーに参加している夢だった。案内役の女性に連れられ、博物館か大聖堂と思われる建物の中を見学している。ツアー客たちは写真を撮りながら歩いている。
　案内役の女性がある壁の前に立って言った。
「皆様、この壁をよくご覧ください。隅に小さなドアがあります」
　確かにネコ用かと思うほどの小さなドアがある。ツアー客たちが順番にしゃがんでドアを開けて中を覗く。ぼくも同じようにしてみる。ドアの向こうには三十メートルほどの狭い廊下があり、その突き当りの壁に、今度は普通の大きさのドアがある。
　案内役の女性が言った。
「この小さなドアを通って、向こうのドアをあけて先に進みますので、皆さん、着いてきてください」
　小さなドアは、人間がギリギリ通れる大きさだった。
　ツアー客たちは楽しそうに行こうとするが、ぼくはパニック障害の症状が出てしまい、とてもじゃないが行けそうもない。
　息苦しくなって、うなされるように目覚めた。

　最悪な一年にならないように気をつけようと思う。