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2022年11月25日12:27

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辻監督は優しいお父さん

 先日退任したライオンズの辻監督は六年間で二度のリーグ優勝(連覇)を成し遂げた。Bクラスになったのも一度だけ。立派な数字と言えるのかもしれない。
 しかしライオンズの動向をけっこう詳細にずーっと見てきた大ファンのぼくには、もう一つ乗り切らないわだかまりのようなものが残る。
 監督就任当時、「自分はいつも選手を見ている」と発言していた。そのために選手は試合はもちろん練習でも常に気を抜けず、ぼくはそれはとても意味のあることだと思っていた。だからリーグ二連覇も成し得たのだろうと。
 しかし辻監督が指揮をとった六年間、ライオンズが常勝チームだったかと言うと、それは当てはまらない。理由はぼくなりに理解している。
 昨年の交流戦の時期のこと。雨天延期が重なり八連戦のスケジュールが組まれたとき、辻監督はこう言った。
「選手がかわいそう」
 それから先日you tubeで見た、監督に就任した当時のインタビュー番組では、チームに合流して選手たちを見渡したときの印象についてこう発言していた。
「送りバントを多用するような手堅い野球はできないと思った」
 そしてインタビュアーに苦笑しながらこう聞き返していた。「(このメンバーが)そんなことができるチームだと思いますか?」
 要するに、自分が考える理想のチームを作り上げるつもりはないということだ。ぼくにはそう映った。常に見守ってはいるが、本気で鍛えるつもりはないということである。じっさいこの六年間、どこよりも練習しているという声は一度も聞いたことがなかった。
 まるで優しいお父さんである。だから投打がたまたまガッチリ噛み合ったときは優勝できるが、そうでないときは実にあっさりと負ける。鍛えてないから底力というものがないのだ。ぼくにはそれは、指導者が責任を放棄しているように映った。投手の今井も外野手の金子も、きっちり伸ばせばチームを引っ張るリーダーになれたのにとずっと歯がゆかった。
 その反対がホークスである。どこよりも練習が厳しいという声はよく聞こえてくる。そして鍛え抜かれたチームはごく自然に常勝チームになっている。かつては常勝ジャイアンツの選手が引退後にコーチや監督になっていた。今は元ライオンズの選手たちがコーチや監督になっているケースが多い。十年後は元ホークスの選手がそうなるのだろう。どこのチームだって、鍛え抜かれて何かをつかんだ人物をコーチや監督に招きたいのは当然である。
 すべきことは明白なのである。
 昨シーズンはストッパー増田が沈んでからは平良が連続無失点39試合の日本記録を塗り替えるほどの活躍を見せたものの、チームとしては壊滅的な状態で最下位に終わった。ぼくから見たら、平良の活躍はチームが優勝から遠ざかっていたから達成されたものである。生きるか死ぬかという優勝をかけた場面で起用されたときに同じ活躍ができるとは思えなかった。じっさい今シーズン、落としてはならない大事な試合の大事な場面で平良が打たれて負けた試合があった(たとえば5月17日のホークス戦や7月21日のマリーンズ戦)。増田も同様、落としてはならない大事な試合の大事な場面で打たれて負けた試合があった(たとえば7月2日のホークス戦や8月9日のファイターズ戦)。これらをきっちり拾っていてば優勝だった。じつに残念なシーズンだった。
 松井新監督はこうした状況を一番近くで見ていたはずだ。だから松井新監督に対するぼくの興味はただ一つ。選手を鍛えるチームづくりをするかどうかだ。
 それができた場合、結果はおのずとついてくるものである。
(写真はモジョの「会津くるみのクルクルロール」)
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