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2012年03月01日14:24

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美味礼讃

 フォト (ロケ地:会社)

 世においしい料理は数あれど、弁当としてふさわしいかどうかとなるとかなり限定されると思う。おいしい弁当の条件は、やはり、冷めてもおいしいことだろう。
 決して高価な料理を詰めればいいというものではない。それは単なる「高価な弁当」なのであって、「おいしい弁当」とは別のものである。「高価なワイン」が必ずしも「おいしいワイン」とは一致しないように。
 
 昼食はいつもは自宅から持参した弁当を食べているのだが、今日は事情があって会社の近くで弁当を買った。
 小洞天の中華弁当(950円)。
 ぼくはこんなにおいしい中華弁当を他に知らない。たぶん今までに五十回ぐらい食べているが、一向に飽きない。写真だと「なんだ、よくある普通の弁当じゃん」というふうに見えるかもしれないが、一つひとつが全部おいしい。もちろんご飯も。今朝、家を出るとき「今日は小洞天の中華弁当が食べられるんだ」と思っただけで明るい気持ちになれたほどだ。
 食べる順番も決まっている。
 シュウマイが二つあるので、まずは一つを食べる。次は海老の天ぷら。そのあとはそのときの気分で食べ進むのだが、焼きソバには手をつけずに残しておく。そしておかずとご飯を食べ尽くしたあと、焼きソバに取りかかる。その最後の焼ソバまで完璧なのだ。これはぼくだけが絶賛しているわけではない。一度でも食べた者は必ず褒めちぎった証言をしている。

 A女史(三十四歳)。「これを食べてしまったら、もう他のお弁当なんて食べられませんわ」
 B君(二十七才)。「晴れた日に公園のベンチでこれを食べるのが生きがいです」
 運よく残飯にありつけたカラス。「カーカー」

 こういうのって、村上春樹さんが言うところの小確幸なんだろうと思う。小確幸とは「しょうかっこう」と読みます。「小さいことだけど確かな幸福」の略です。
 ちなみにこの小洞天、中華弁当だけじゃなく、カタ焼きソバも絶品。ぼくはカタ焼きソバも大好物なのだが、ナンバーワンは小洞天。今日は事務所内で食べなければならない事情があったので中華弁当にしたが、外食する時間があったら、間違いなく小洞天の店内でカタ焼きソバを食べていた。

 えーと、ぼくは小洞天のまわし者ではありません。でもここまで書く以上はサイトぐらいは紹介しておきます(所沢や入間に店舗がないのが残念)。
 http://www.shodoten.com/index.shtml

 それはそうと、弁当のおかずを「一品食い」する人っているよね。一つのおかずを食べ尽くすまでは次のおかずに行かないタイプ。
 何を隠そう、ぼくもその一人です。子供の頃からよく「三角食べしなさい」と怒られたものだ。大人になった今はある程度できるようになったが、それは誰かといるときだけ。人様に不快感を与えないように気をつけているのだ。
 今日はまわりに誰もいないときに自分の席で食べたので「一品食い」しました。

*タイトルは海老沢泰久著『美味礼讃』をそのままパクりました。

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