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日記一覧

久しぶりに江國を読んだ。過去に生きる人はいくらでもいるし、別にそれが「現実逃避」とは思わない。むろん、江國もそう書いてはいない。とにかく、相変わらず、変わった人達しか出てこない。そして、エゴイスト。これが、江國のリアリティなのだ。潔い、と思

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内田樹「最終講義」
2015年12月05日14:45

講義録なんて、無条件で共感出来る人のものしか読む気がしない。だって、それは自分が行かなかったライブのDVDを見るに等しいから。まして、内田樹という人は、決して好きなタイプじゃあない。なぜか気になったのは、どこかの発言に共感したからだと思うが

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これは、今年読んだ小説のNO1だ。教団Xはつまらなかった。むろん、「合わなかった」だけだ。自分が感銘を受けなかった、つまらなかったからといって「この作品はつまらない」と断定するほど、僕は独善的ではない。「あなた」は、自分の中の神、自分の本質、

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神奈川新聞の論説を編集したもの。安保法制、辺野古、ヘイトスピーチへの異議を軸に、個人、当事者、学者のインタビュー。とくに目新しい視点はないが、より根本的な何かに迫りたいという意思を感じる。最後の、内田樹の「安倍晋三のような知的に不誠実な政治

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島田雅彦「虚人の星」
2015年11月01日23:48

現政権のパロディ。島田雅彦が本気だ。希望まで見出しているのは絶望のひねりだろう。しかし、エンタテイメントの棚に並べるのはやめてもらいたい。

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25日の夜、甲斐がいちばん懸命に唄っていたのは「暁の終列車」。何故だろう?名古屋・大阪が歌詞ぐだぐだだったからか?「こころ傷つき疲れ果てた人が降りるという駅」とは何だろう?駅と言う言葉は「レイン」にも登場する。「次の駅へと誘うように 行き場

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「日本的霊性」鈴木大拙
2015年10月24日12:33

霊性とは、宗教や国民性ではない。もっと根深く意識すらされないものだ。物ではないし、心でもない。久方ぶりによくわからないまま、読了した。思考力がなくなってきているのかも。

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こうなったらいい、というだけのことです。(笑)元は大阪 →変更 4曲だけ。で、どうですか、お客さん。01 感触→炎02 電光石火BABY03 ハートをROCK04 青いリンゴ05 朝まで待てない06 レイン→HERO07 安奈→安奈201208 嵐の明日09 ミッドナイト プラスワン10

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宿泊をともなうLiveは、雪の盛岡・山形以来だ。不満ばっかり言ってるヤツだと思われているかもしれない(笑)が、基本はなんでもOKなのだ。不満や愚痴は近しいが故のものだし、機嫌が悪かったり、何かつまらないことで怒ってたりする甲斐を見るのが好き

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「呪文」星野智幸
2015年10月06日22:53

クズ道を極めた者達が真昼間の商店街で集団割腹自殺を遂げるという、生理的な嫌悪感に訴えるのは好みじゃない。世界が、こういう人間たちを生み出しかねないくらい殺伐としている。そしてそれが日々亢進されている、のはわかる。しかし、こういう伝え方は、違

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「素材の中なら力を得て物語を書いていくタイプの作家」と「素材の重さに頼ることなく、自分に内側から物語を紡ぎ出していける作家」がいて、自分は後者だと、村上は書く。むろん「経験に意味がない」と言っているのではない。「ダイナミックな経験を持たない

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末井昭講演会0919
2015年09月20日11:46

武蔵境で、笑える自殺本「自殺」を書いた、末井昭の講演会に行ってみた。イメージ通りの人だ。知りたかったのは「母が隣家の若者とがダイナマイト自殺」したことを発表するに至る心の動きだった。彼の住む小さな山村では、事件後彼は、腫物にさわるように注意

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村上さんのところ
2015年09月20日11:13

村上春樹の人生相談サイト。これを読むと、この人がとても「まともな」人だと、わかる。こういうまともさは普通の作家(つまり普通ではない人)にはないんだろうなと思う。いちばんおもしろかったのは、「10人のうち3人が気に入ってくれて、そのうち1人がまた

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死因1位がガンであることは「医学の進歩で他の死因が少なくなったから」だと、思っていた。多くの人がそうだろうと思う。生活習慣・食習慣の変化、ストレス等が原因だ、と。違う、核実験により地球上の放射能が増加したからだ、と広瀬は言う。世界各地の「人

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「むのたけじ」が登壇する、というわけで、中ホール(500人くらいか)が満員だ。が、僕の注目はSEALDsの「佐竹美紀」である。70年前に責任を感じて朝日を辞めた現在100歳の「むの」には、自分たちがなぜ間違えたのか、話して欲しかった。彼は「いつのまにか戦

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西加奈子が解説を書いている。「サラバ!」とはまったく違う世界なのに。いや、だから、絶賛するのか?容姿と運動が得意か否かだけが価値とされる年代の、酷さとくだらなさ。まさに「サラバ!」が避けた物語が、これだ。よほどおめでたくない限り、この話を読

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原作を読んでいても、出てくる軍人が多すぎて、軍隊オタクでもないと命令系統が理解できないだろう。理解しようとは思わないけれど。彼らの行動規範が、「国体護持」つまり天皇の身分保障のため、の1点に収斂するのは何故なのか、それがまったく理解出来ない

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西加奈子「サラバ!」
2015年08月16日12:12

記憶という「化け物」を、何故肯定するに至るのか?が、書かれていない(僕には読み取れない)ので、結局それは「自明の理」なのか、そうしないとやってらんないから仕方ないよね、なのか?むろん、そのどちらでもない(でなければ主人公が突然ポジティブにな

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すべての陰にアメリカあり、というのは、あまりにも安易かつ思考停止のように見える。日本人は、思考停止していないと感じるために、アメリカの陰はない、ないはずだと、思い続けて来た。自らを偽り、アメリカの言いなりなどではないと思い続けられる、一石二

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約5年間のメールのやりとりによるインタビュー。 佐藤正午という小説家(作家という言い方は佐藤にはそぐわない)は、佐世保に住み続けている。と言っても妻子のためではなく、東京に出てくる理由がないから、あるいは佐世保には競輪場があるから。 永遠の1

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タイトルとカバーのイラストを見て「なんだかなあ」と思ったが、村上龍を読まずに済ませることは出来ない。さすが村上龍だ。エンターテイメントとしても面白いし、主人公にも感情移入出来るし、現在の日本・世界への不満、不安、焦りも、痛いほど伝わってくる

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朝日のコラム。「スティルライフ」や「マリコ・マリキータ」「マシアスギリの失脚」が好きだし、最近では「君のためのバラ」はよかった。ああいうさわやかな小説を書く人が、コラムとなると、かなり紋切で、読みずらい。何故だろうと考えた。柔軟性に欠けるの

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「教団X」中村文則
2015年07月26日15:28

若いころの村上龍から「文章の巧さ」と「自信」を引いた感じ。その分、解説が多い。伊坂幸太郎が、若い頃の村上春樹に、わかりやすさとディテールを「足しただけ」というのと似ている。若い読者は「掏摸」よりも「教団X」が好きなんだろうか。まあ、中村自身

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「絶歌」元少年A
2015年07月04日16:11

この本の出版自体が非難されている。もっともだ。この手記に関して「表現の自由」を盾にする気はないし、何でもかんでも自由だと言う気はない。ただ、「こんな人間には自分が何であるかを語る資格がない」という考えは違うと思う。そもそも、それは「許可をも

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中村文則「王国」
2015年07月03日22:33

【この世界には、使い古され、誰もが心地いい言葉が溢れていて、わたしのような人間を苦しめる。大勢が頷ける言葉は、その言葉に頷けない者達を、疎外感によって苦しめることがある。大勢の頷ける言葉に、全ての人間が頷けるわけじゃない。そんな言葉は溢れて

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この本の主題ではないが、もっとも腑に落ちたのは天皇制に関する考察である。【天皇制が連続するのは、その正統性を保証する同一性を持たないからだ。天皇とは、日本という共同体を規定する同一性の不在そのもの同一性なのだ】何か規定があれば、それは必ずど

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中村文則「掏摸」
2015年06月27日18:09

今まで中村文則を読まなかったのは何故だろう。世界は残酷だ。「そんなに深刻に考えるな。歴史上何百億という人間が死んでる。お前はその中のひとりになるだけだ」個人の抵抗などたかが知れている。しかし抵抗しない者がいるだろうか。「世界のすべてを味わえ

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1500年代のスコットランド女王、メアリスチュアート、エリザベスの従妹、カトリック。イングランド女王、エリザベス1世、プロテスタント。メアリはエリザベスの名のもとに処刑された。(余談)エリザベスの異母兄弟、メアリ1世(メアリスチュアートと血縁はな

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妻子への思いを残して震災で死んだ人間が「想像」でDJをし、同じ運命をたどった人々、一部の残された人々とラジオで交流する。その情報のなかから、妻子が生きていること、自分が愛されていたことを知る。「当事者ではないのに悲しむ、ことに多くの人が疑問

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生き抜くことが比喩でない「闘い」になる過酷さを、君らは見ないふりをしている、と彼は言う。自己責任を叫ぶ人々がいる。「仕事を選ぶから、ないんだ」彼らは、仕事を選べなくなったことがあるだろうか?人生の<勝者>となった彼らは、自分の「社会的な」責

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