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日記一覧

中村文則「迷宮」
2016年12月23日12:30

「人にあまり言えないことの1つや2つ内面に抱えているのが人間だと思う。無理に明るく生きる必要はないし、明るさの強制は恐ろしい。・・・小説のページを開く時くらいそこから自由になれるように」中村は意外に常識人なのだな。つまり、自分の内面のわけの

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テロとは権力者が非権力者に対して使う。その非権力者が権力者になったなら、テロという名称は削除される。自爆テロのオリジナルは特攻隊であり連合赤軍だ。自殺を大罪とするイスラムに自爆という手段は本来ない。他者を他者と認め干渉しない、というのは極め

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中村文則「悪意の手記」
2016年12月10日21:58

死の病にかかった私は、死の恐怖から逃れるために「人生に意味がない」と思おうと努力し、それに成功したかに見えたが、生還してしまう。そして、親友を池に突き落として死なせる。私は、絶対的な悪になるために、良心の呵責などないと思いこもうと努力する。

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備忘録だが、どうせなら、興味のある人は読んでみてほしいので、書く。たったひとつの冗談(もしソ連が北海道の北半分を占領したなら、「日本人民共和国だ出来、鈴木宗男さんあたりが国家主席になり、みなさんは苦しめられたかもしれない)を除いて話しまくっ

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町田・加須・中野・六本木野音の後、書いた。新曲が必要だと。しかし、それは撤回する。甲斐にとって、新曲リリースより「唄うこと」が重要なのだ。それでいいじゃないか。いつもの曲は、甲斐バンドで演奏されるそれより、はるかに(はるかに、だ)素晴らしか

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町田康「猫のよびごえ」
2016年12月02日21:14

熱海の海岸に行っては、捨て猫を拾わずにいられない心優しき元パンクロッカー、町田康。拾わずにいられないことを、良心の呵責とか内なる叱責の声とか、あーだこーだと言い訳するのが、ほんとうに面白い。この人にはいくつもの決まり文句があり、かなり慣れて

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最近は、観ようと思う映画は、ドキュメンタリーか社会的なテーマか、狭く深い(深そうな)個人的な話、くらいしかない。そして、後者の場合はほとんどががっかりさせられる。見込み違いか押しつけがましいか、のいづれかだ。これは、非常によかった。本木雅弘

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常々「小説とは総体である」と言い続ける保坂。要約など出来ないし、すべきではない。そして「小説は作品ではなく日々だ」と言う。作品性を云々することは意味がない、と。前者はその通りだ。後者は(むろん濃淡の問題もあろうが)、読者にすべて任せりゃいい

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殺人者に対して「信じられない」と無邪気に言える善良な人々で形成される世界。しかし、自分は自分でコントロール可能だと、一線は絶対に越えないと、僕は言えない。妻を殺して埋めた男の、あまりに人間的な逃避行。そこで出会う、人生を踏み外した者たちの、

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いちばん大事な仕事とは何か?それは「このすべてに何の意味があるのか?」と真剣に問い、その問いに真剣に向き合うことである。出た。中島節。中島信者ではないが、たまに中島の書いたものを読むと、自分を許せる。むろん、他人も許せる。「これで、いいのだ

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中村文則「世界の果て」
2016年11月03日10:45

多くのまともな人々は自分の内面など覗き込みたくない。しかし、日々覗き込まずにはいられない者たちがいる。そう呼んでもいいなら、中村はそいういう僕の同志の一人だ。誠実だとか、真摯だとか、とはもちろんまったく違う。自分の内面に興味を持たないまとも

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ただ愉快なもの、ただ悲しいだけのもの、そんなものに溢れるこの世界に、違和感を抱え続ける者たちのために、忘れ去られるものを忘れられない者たちのために、文学はある。この世界の最果てに、どうでもいいもののなかに、真実はある。いや、違う。そう言った

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こんな凡庸なセットリストに、これほど満足したことはない。何をやるか、にこだわっていたことを、忘れるくらい。何をやるかでなく、どうやるか、なのかもなと感じた。むろん、何をやるか、に関する圧倒的な不満は、ある。しかし、とにかく今回の甲斐は素晴ら

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町田康「バイ貝」
2016年09月18日13:21

鬱を散ずるために、人は金を使う。しかし、その金を稼ぐために鬱をためる。そのプラスマイナス収支を、ああだこうだと、うだうだと、書く。つまり、何かを1万円で購入して1万2千円分の鬱が散じれば得だ。逆に8千円の日給のために鬱が1万円たまったら損だ

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中村文則「最後の命」
2016年09月18日12:13

あとがきで中村は書く。「単純化していく世界の中で、多かれ少なかれ生きにくさを感じている全ての人達に対して、単純な善悪の二元論で細部をすっきりと切り捨てることをしない、つまり文学を愛してくれている全ての人達に対して、書いたつもりではある」そん

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上野を通り過ぎる人は多いが、上野の街に何があるのか、動物園と美術館の他に何があるのか、知る人は意外に少ない気がする。都市の大きな条件の1つが「記憶」だが、上野は記憶のある街なのか?上野の「記憶」は、振り返りたい記憶ではなく、忘れてしまいたい

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三島の友人だった英国人ジャーナリストの、「東京裁判無効、日本は自衛戦争を戦った、皇軍はアジアを解放した、日本は自虐史観をマインドコントロールされている。目覚めよ、日本人」という檄。事実関係が正しいのか与太なのかわからないが、自分が何も情報を

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町田康「ギケイキ」
2016年08月24日22:31

ギケイキ、義経記。義経が現代によみがえり、回想記を書く、と。この、どうってことのない設定を、時代物に一切興味のない者にも読ませる。さっすが、マーチダ。

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桃井かおりの「火」を観た帰り、大戸屋で静かに夕飯にしようと思ったら、隣席の女の声がでかくて吹き出しそうになった。渡辺直美が化粧を落としたような風貌で、テーブルの幅からはみ出していた。ああ、君はテーブルからはみ出している(佐野元春)・・残念。

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「快楽」青山七恵
2016年08月13日12:45

このタイトル!快楽とは何か?人は偽物の、日々の心地よさを生きる。しかし、本物の快楽を得る資格のある者は少ない。それを知ったからには、もう偽物の、ぬるい心地よさなどいらない。それは、決して幸福ではなく、むしろ不幸だ。しかし、戻ることなど出来な

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藤沢周「武蔵無常」
2016年08月13日12:30

武蔵の伝記を、武蔵の内面と当時の時代背景から、フィクショナルに描いた。 時代劇にも剣道にも興味がないので、藤沢周好きと言えども、理解不能多所。 すぐれた武士は必ず人格者ではなく、むしろ人格破綻者だからこそ、極められるものだ。 いくらごたくを並

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甲斐はボーカリストとしては復活したと思う。あの「MYNAMEISKAI」を頂点として、再結成・シリドリ・ローリングサーカスレビュー・テンストあたりはひどかった。もうダメかなと思った。あとは作品を書くしかないのか、と。理由はわからないが、2010年頃から、

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森達也「FAKE」
2016年07月30日17:52

FAKEであるか、ないか。ふりか、ふりでないか。ホンモノか、ニセモノか。その答えはどこにある?あなたのなかに、しかない。

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やれやれ、なタイトルだが、島田雅彦があえてこんなダサいものを出したのだから、何かあるんだろう。まあ、どうってことは、なかった(笑)。ホンモノの大人は「メンツ」になどこだわらない。その通りだ。慎太郎に「恫喝」されて反論した話、竹中平蔵を嘘つきと

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何年生きても、人は愚かなままだし、何もわかっていないままだ。しかし、オレは何もわかっていない、と認めるのは難しい。

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「あとかた」千早茜
2016年07月30日17:29

虚無を描きながら、それを見つめ切れない、根拠のない漠然とした希望を最後につぶやく、のは違うんじゃないか。

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中村文則「私の消滅」
2016年07月30日17:24

苦しみに満ちた自分の人生の記憶を憎悪する相手に埋め込んでしまう、というグロテスクな復讐、のアイデア。アイデア。発想。それだけしか感じられなかった。残念ながら。

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理屈じゃない。彼らは「日本の伝統」を愛する。しかし、アメリカから独立しようとは、しない。そして、都民は小池百合子を選んでしまうのか?

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オルハン・パイク「雪」
2016年07月30日17:14

この話を読み終わった直後、トルコでクーデター未遂が起きた。未だ、トルコは、混乱の中にある。

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日本は占領終了後も「国連のようなアメリカ」とのあいだに、「特別協定のような安保条約」をむすんで、「国連基地のような米軍基地」を米軍に提供することになり、「国連軍のような在日米軍」の戦争に協力することになった。そして、有事の際には自衛隊は「米

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