故郷を、(家族が)「近くにいなくては遠ささえも確認出来ないほど薄い縁」であるような土地だと感じ、(人との縁は)「海や空や土といったものと同じ、自然のなりゆき」でしかないと思い、「気が楽になる」ような女が語る、昭和30年後半の根室。孤独な人間し
「生きている限り、どんな広い部屋に住もうとも、土に還るまでのあいだの仮住まいだ」とつぶやく女。「流れ落ちる涙のかたち」をした爪の、「なにも要らなくなり、人の前で悲しんで必要がなくなった」女。「一日の長さと残された時間の短さ。そのふたつの時の
「魂が人に向かって開いてない。誰かに何かを伝えたいとかわかってもらおうなんてこれっぽちも思っちゃいない。愛される資格もない」と男に罵倒され、「内側には汚れた砂ばかりが積もり、ひとかけらの寂しさすらない」と独白する女。そんな女ばかりが出てくる
自身の故郷でもある道東の街。高校の同級生のその後の人生。たぶん、ひとは日常のささやかな感動や幸福を支えに生きている。たとえば、友人からもらった、気持ちのこもった思いがけない贈り物。たとえば、いつも聴いている好きな音楽を聴きながら、好きな本を
昨年暮れの安田純平を囲むシンポジウムで「ジャーナリストが危険地域に行けるかどうかは市民の支持が必要だ」と言い切った川上泰徳の、「イスラム国を生んだのはアメリカだ」という真っ当な論考。多くの者がアメリカが元凶じゃないかと感じている。感じている
【常岡浩介氏が、中東のイエメンで飢餓問題などの取材を予定していたが、政府からパスポートの返納命令を受け渡航を禁じられた。 常岡氏は、現地で国連世界食糧計画(WFP)や国境なき医師団(MSF)で活動している日本人スタッフなどに取材をする予定で、アポ