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日記一覧
- フランツ・カフカ「変身」
- 2018年03月26日17:00
ある日目覚めたら大きな虫になっていたという、あまりにも有名な小説。あらためて読むと、奇妙であるよりも、虫になったのに、時間に遅れるとか妹へと立場がないとか会社をクビになっちまうとか暇だとか、虫になったことに比べれば些末事を必死に考える。笑っ
- レイモンド・カーヴァー「水と水とが出会うところ」
- 2018年03月23日21:47
詩集。散文を書く気力がなくなった、というようなことを書いていた。詩にはあまり興味がないし、わからないのだが。「人間には何も考えたくないという欲望だってあるんだ。じっとしていたい欲望だって。・・・・・・・今ここにあるものものを歌うより、今はも
- レイモンド・カーヴァー「ファイアズ（炎）」
- 2018年03月22日14:56
「作家にはトリックも仕掛けも必要ない。それどころか、作家になるには、とびっきり頭の切れる人間である必要もないのだ。たとえ阿呆のように見えるとしても、作家というものはときにはぼうっと立ちすくんで何かに−それは夕日かもしれないし、あるいは古靴か
- レイモンド・カーヴァー「大聖堂」
- 2018年03月19日17:41
少し救いが書かれるが、決して根拠のない楽観（がんばろうよ、の類）はない。だって、未来のことはわからないから書けない。「でもそれはもう通り過ぎてしまったのだ。そしてその通り過ぎたということも−彼はその事実を認めたくなくてずっと抵抗してきたわけ
- レイモンド・カーヴァー「愛について語るときに我々の語ること」
- 2018年03月16日20:56
より苦悩が深まり、より省略が多くなる。アメリカ人の一般的なライフスタイルや、遊びのスタイルがわからないと「？」となることも多い。「私の中で何かが死んでしまったのよ。それには長い時間がかかったわ。でもとにかく死んでしまったのよ。あなたが殺した
- レイモンド・カーヴァー「頼むから静かにしてくれ�供�
- 2018年03月16日11:27
訳者である村上春樹の解題を読むと、僕は悲観的に読み過ぎなのか？つまり、僕が救いがないと感じたことを、広義の「ユーモア」あるいは「そういう視点もある」と村上は言う。幸福にも綻びの兆しはあるし、不幸にも深刻でない部分はある。「あなたが小説の登場
- レンモンド・カーヴァー「頼むから静かにしてくれ�機�
- 2018年03月13日21:27
以前、中公の新書版シリーズで6冊揃えたのを読み始めた。村上春樹、小川洋子が絶賛する作家だ。よくわからない。13の短編はほぼすべて、アメリカの田舎に住む、ブルーカラーの、本なんて一生読まなそうな、ろくでもないものばかりを食べる人々が登場する。彼
- 小川洋子「深き心の底より」
- 2018年03月12日22:08
「生涯に一冊の本さえ読まない人でも、一行の手紙さえ書かない人でも、誰でも胸の内に物語を抱えているのかもしれない」こういう感性で小川の小説は書かれたのだ、と腑に落ちる。「抱えているのだ」ではない、「抱えているのかもしれない」のだ。たぶん確信し
- 小川洋子「ことり」
- 2018年03月09日17:13
平日の昼間、猫をひざに置いて、こういう話を読んでいると、この世界から隔絶したような気分になる。両親に先立たれた兄弟。兄は「ことり」とのコミュニケーションを支えに生きる、（書かれていないが）知的障がい者。弟は、兄の純粋さを守ることと、「ことり
- 小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」
- 2018年03月08日15:28
両親が離婚し、母に先立たれた兄弟は、祖父母によって育てられる。兄である主人公がチェスに魅せられ、8Ｘ8の升目に希望を見出す。大きくなりずぎて故郷のインドに帰れなくなった象「インディラ」家と家の隙間に閉じ込められた少女「ミイラ」少年に廃車になっ
- 小川洋子「薬指の標本」
- 2018年03月06日22:55
カバーにこうある。「恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二編」何も言っていない、むしろ作品を損なう。即刻刷り直してほしい。甲斐の「レイン」を恋愛ソングと矮小化するようなものだ(笑)。自ら標本になりたいと願う女。自分語りの六角形の小部
- 小川洋子「ブラフマンの埋葬」
- 2018年03月05日16:17
傷ついて迷っていた森の動物ブラフマン（水かきがあるから「かわうそ」か「かものはし」をイメージする）が、「僕」に拾われ、手当を受け回復し、ともにひと夏を生きる。ある日、泉で泳ぐブラフマンを放っておいて、僕がガールフレンドにクルマの運転を教えて
- 小川洋子「沈黙博物館」
- 2018年03月04日21:57
死者の「形見」を展示する博物館。館の主たる老婆にやとわれた博物館技師が、老婆のコレクションである村の人々の「形見」を分類してゆく。その過程で、村が現実から隔離されていることが、淡々と、じわじわと、わかる。老婆は、形見のコレクションを技師に託
- 小川洋子「人質の朗読会」
- 2018年03月03日15:20
地球の裏側の山岳地域でゲリラに拉致された人々が、監禁状態のなかで各々が心に秘めた出来事を語る。いっぷう変わった物語ばかりだが、それぞれがその経験を支えとして生きてきた。そのことにおそらく自ら語りながら気づく。「自分の中にしまわれている過去、
- 「15時17分、パリ行き」クイントイーストウッド
- 2018年03月01日19:15
パリの電車内テロ未遂事件。気づいた1人の乗客がテロリストに撃たれ、3人の若者が命をかえりみずに取り押さえ、多くの乗客をテロリストから救う。実際に撃たれた乗客と、犯人と格闘した3人を役者として起用し、オランド大統領も登場させ、幼なじみである彼ら
