私は宇宙を回す 私が回っているのだという 宇宙の滑る惑いの点上であやしく回っているのだとウソっぱちの世界であぶれるなと私を回す私は宇宙を回すまた宇宙が回っている
『どうだろう』13/02/26おぎゃあ、僕は生まれたばかりです。みるみる成長していますおぎゃあ、でも僕は僕のことが見えませんほんとに成長してるか分かりませんおぎゃあ、自分勝手な奴でしょう優しくない奴でしょう おぎゃあ、おぎゃあ、でもあなたも私のこと
とおい星から一筋の夢夜の騒がしい林はいらない道ばたにころぶ耳の洞窟へ渡るいずみに月影はおぼろいちご畑の毛布のふくらみへ風ふく里に星のまたたきは溶けて石の川原のふかく底へ降り撒かれたきらめく砂の奥に沁みとおるおだやかな微笑みゆるむ昨日に触れな
空の飛び方は知らない でも 泳ぎ方は知っている 硬いアスファルトを蹴って空に潜り 電柱のてっぺん辺りで 振り返る 行く先を決めたら柱を蹴って 丘の上まで平泳ぎ ときどき二階の瓦に降り立って また静かに潜り込む 息継ぎはいらないから 息切れもしない ジャ
米つぶ同士が引っ付いて離れないたがいに腕を組み揺れながらうたう引き離すたび余計に湯気がたち箸をもつ手がはやる口に運ぶわずかのあいだ客が店に入るサインが鳴りひびく米つぶはここぞとばかりに弁当へにげる私は箸をおき弁当の蓋をしめ背筋をのばして客の
空と海とが合わさって 鳥と魚が出会えるところへつばさで風をつかまえてあなたは高く空をすべるさえずりが聞こえるはばたきが聞こえる そこからわたしが見えますか 小さな点になっていますかわたしは波にはばまれてあなたを見失いそうで
(東京の宵、下町には明かりが灯り、サラリーマンを赤く誘ってやまない。)お、寄ってくか、八田。「え、マジっすか、おでんとかほっけとかいいっすね」ばかやろっ、一杯ぇだけだって、「うっそだぁ、先輩、一杯だけ?」ガラガラ、あったり前ぇよぅ、こちとら、
石には意思があって在る 動く物にとって石はじゃまになるが是が非でも在る動けば腹がへる腹がへれば、植わる物、動く物を食わざるを得ない食われるものか、と、いつまでも在る雨が降ればぬかるみに浸かり ハゲ頭だけ日にあてて暖まる小石がぶつかっても文句を
まちがいなく温かい袋で出来上がりおそらく「おぎゃあ」と押し出されほのかな光を浴びながらなんとなくはじめて目をあけ、現れた輪郭しだいに色濃く関わってくる影に驚きと、恐れと、喜びを感じながら確かなものを足がかりに未来に向かってのびてゆく手足長く
太陽がしぼんで雲がなえる青空はゆるみ赤にさびしい波の音林はしずかに虫の音を這わせ風がまた顔を出すと言う川のほとりの石ころがことり細くさえずる水は跳ねて乾くまでに星はそろうはりつめた草の葉は息を止め月ふたたび戻る風に木々の枝葉はしなやかに浸る
三万光年先の望遠鏡の目には何が映っているだろう私は木の枝で地面に牛を描き 酒でも飲みながら仲間に自慢しているだろうか川辺で水浴びをする女を岩陰で覗いているだろうかあるいは、戦いに倒れた指先が望遠鏡に向かって助けを求めているだろうか離れたとこ
月の詩は素敵 なぜ、って訊くと、太陽は云う私の愛を受けているから太陽が顔を赤らめると月は恥ずかしそうに輝く
木蓮の高い木のそばに立って地に落ちた花びらを見る温かくしとやかな白手のひらにのせてみれば春の日が差し込んでかすみがかった影が浮き彫りになるあらわれた微笑みに押し潰されそうで力なく手を離す落ちてゆく先には幾重にも花びらが積み重なりそしてまた積
言葉が男の喉につかえて出てこない。ポン、と出てくると、 早口がタバコの煙と一緒に若者の喉からツルツル、ツルツル、と出てくる。男は笑いながら若者の頭から蓋をとり、中を覗いてみるが首をかしげて蓋をもどす。男はやはり笑いながら、「よくもまあ、出て
店のシャッターを閉めて振り向くと走り寄るタクシーがスピードをおとす歩き出すと辻で人とはち合わせ互いによけて歩き出す次の辻で車が一旦停止私は前を横切る歩みよる慣れなれしい人影私と分かり街灯の下に戻る駐車場で車に乗り込んで月明かり 車道に出よう
青って、赤みが無いことを言うんだよね赤って、赤みが強いことを言うんだよねたぶんアオレンジャーの人はアカレンジャーになれなかったけど、アカレンジャーの人よりたくさんヒーローものに出てるんだよねでも、アカレンジャーじゃないんだよねやっぱり、アオ
増えつづける、なにが?増えていると思う、なんだろう。白髪?仕事?責任?いや、なんだろう、頭の中のごちゃごちゃ、わしゃわしゃ、やりたいこと、やってあげたいこと、やらなければならないこと、誕生と死の間の半分を過ぎたようなそんな、感覚が、残された
生まれる前から腹に穴が空いているこの間までぴったりのものが収まっていたいつの間にか詰めものが外れどこを探してもみつからないぴったりと埋められるものを探し回って歩き続ける時々似たものをはめ込んでは捨てまた、はめ込んでちがう、ちがう、と言いなが
べんべん、忘れっぽぅい、わすれっぽい、聞いた話をすぅぐに忘れっちまうから、いっつも、いっつも、怒られるぅ忘れっぽぅい、わすれっぽい、鍵をどこに置いたか忘れっちまうから、家出たそばから、日が暮れるぅっあ、忘れっぽぅい、わすれっぽい、何をしよう
行ったよ。言ったよね、行ったって言ったよ。ん?言ったかな?言ったとおもう。たぶん、言ったよ行ったって。ありゃ?行ったかな?行ったと思うよ、あ、行った、行った。やっぱり、行ったって言った。言った、言った。
足元を震えながらまわる沈む太陽は大きくて土に倒れた独楽の色は失せただ呆然と影がのびている 灯籠からもれるひかりが座敷のふすまを切れ目なく走る壁にかかる寄せ書きのまん中に「和を以って尊しと為せ」と、祖父の字でかかれてあるかれた声で独楽にひもを
雑木林にかこまれた山道に向け車のシートに沈み込み、扉を閉ざすアクセルに砕けたぬけ殻をのせ落ちていく夕日をひき離す 過ぎ去った時間の色が窓ガラスの冷たい肌を移りかわりのぼる道は曲がりくねっていてしだいに影は深くなる目の前に浮きあがる林がざわめ
いつでも吹いていた おかしな顔して吹いていた高い音は空をはしり雲をぬけてもっと遠くへスキップは月の上 木々は一斉にはねて猫も一緒にはねているしらん顔していてもやさしくて口笛も地面ではねて空へ自転車なら時間をこえて足はサイボーグになってあまりに
草はらをわたる風がふりむいていたずらに私の髪をなでるささやきはいつか聞いたはずの音 *黄色いかばんは木の机の上に なんとなくハーモニカをふく姿ぼくはうめ組の居残りぼうずやさしい先生の言葉はかすかで 吹いたり吸ったりいそがしいぼくお弁
本気であの野郎をヤッちまおうと思ったのです母さん、父さん、悪い子に育ってごめんなさい僕は悪い子ですエロい奴です、スケベな奴です改札口のあの子の学生服の膨らみに僕の脳ミソは衝撃で真っ二つに割れその割れ目から染み出るエロな液体で脳ミソはふにゃふ
みどりのランプが灯っています陽のひかりが交差点にさし込み赤いトラックは荷物を乗せて途切れることなく走っています色は変わったことがありません青空にうかぶ雲がゆったりと泳ぎ風はどこからともなく降りてきて並木のみちを吹きぬけていきますみどりがやさ
『まぼろし』の詩は、二つの詩を「・・・」で融合させています。これを発展させ、エッシャーの絵のような詩を制作してみようとこころみましたが、わっけわからなくなりました。もし、万が一できたら、ここに載せます。まあ、むりでしょう。
あ、くま、くまくま、ああくうまあくうまあああく、うま、あく、うまあ、ああうま、うまあく、うまく、うまくう、くうまくう、まあくう、ま、くうま、まくう、あまく、あ、うまくま、う、うまくう、あくま。(ハゲピカぬんさんとのやりとりから生まれた詩でし
はなから・・・ただよういろはとおくにあって・・・みえないちかづいても・・・とおざかるいはしないのに・・・まぼろしひきはなされた・・・ふたりのようなきがして・・・あいだがふさがれて・・・うすれていくあせっては・・・さがしているもがいている・・