『交響』

三万光年先の望遠鏡の目には何が映っているだろう

私は木の枝で地面に牛を描き
酒でも飲みながら仲間に自慢しているだろうか

川辺で水浴びをする女を岩陰で覗いているだろうか

あるいは、
戦いに倒れた指先が望遠鏡に向かって助けを求めているだろうか


離れたところにいる私は君を知らない

離れたところにいる君も私を知らない


私と君が放つわずかなエネルギーが
私たちの知らないうちに互いに触れ合っているかもしれない