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2013年09月08日12:29

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『風の音』



草はらをわたる風がふりむいて
いたずらに私の髪をなでる
ささやきはいつか聞いたはずの音

      *


黄色いかばんは木の机の上に

なんとなくハーモニカをふく姿
ぼくはうめ組の居残りぼうず
やさしい先生の言葉はかすかで
吹いたり吸ったりいそがしいぼく


お弁当の時間にともだちが手をあげ
僕の食べ方がネズミみたいだと笑う
みんなもつられて笑う
僕は意味がわからず食べつづける

教室にはバロックがながれている


発表会の日はなんとなくやって来て
じゅんこちゃんは花形のピアニカ
たけしくんは背が高いから大太鼓
ぼくは、なぜか鈴をならしている


      *

たまごの殻をかぶっていた私
ともだちの顔はそらの雲のようで
先生の声は風になってとおざかる
辺りの葉っぱをむしり
なんとなく
口もとにはこんでみる




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