《現代短歌》青空に枝をのばして街路樹の光めざして新興住宅 紅白の煙突けむり噴きだすをドシリ見下ろす皿倉の山 《古語短歌》ぬばたまの夜さりの月のすずしきに虫のねきこゆ秋ふけにけり ひさかたの宵の逢瀬のゑみをしてかたぶくまでの天つさ
突然レンズの焦点がど真ん中で合い俺の目蓋は縫いつけられる首はロボットになり対象を追って水平に回転する俺の中心に太古から存在する炎のタネがプラスチックの殻をやぶって一気に蜂起する!出来たての理性が肺の城壁で抗って炎上!心臓は真っ赤な血をおくり
『詩で空腹を癒せるか』141029今日は仕事を早めに切り上げて、居間の模様替えのために買っておいた棚を組み立てた。数時間で出来上がったが、夜も更けて、腹が減ったので弁当を食べはじめた(旨い)。半分ほどのところで(こりゃ少ないぞ)、量が足りない事に気付
本当にくだらない脳ミソなんだな。お祝いと称して“文字通り”人を「陥し入れる」事で騒いで楽しもうとする馬鹿者ども集団の心理で流される優柔不断者嫌われたくないといった者も殺人者集団の中には居るのだろう祝うなら本気で祝え結婚披露宴で新郎を胴上げ中
灰色はふちどりが溶けてたった今のぼる太陽に色づきはじめる芯に灯された命のきらめきに体温を宿して雲で覆われた空は青くやわらぎ草原に花が咲く私は雨になって大地を洗いさらに低いところへ潜り込む光が私のカケラにとりこまれ緑の上でころがって弾けるいつ
好きだ好きだ好きだ好きだーっ、て何回何百回念仏のように唱えてもどうにもならないのに、布団をかぶれば蝶のように目の前をチラついて、真っ暗闇の中の僅かなひかりをすべて集めて笑みどす黒い井戸の底で燃え滾る熱情の赤い血の爆発をあばら骨が必死でこらえ
「yes言え」えっ?「嫌っ!」言やあ、「yes , sure」胃炎癒んよ、yah , yet家ぇ ーーーーーーー《男》春風の柳の枝をふるふともわが身にふれじ凪の黒髪 《女(返歌)》春空も雲にまぎれてつれなきに雨
子どもありけるが、むかしなるか いとあやし人なるもぞ いみじくあやしきかの子ども、井筒をこえけるは丈ならず筒井にて跳ねありきけるは足生えにけむ髪、肩すぎぬといへどもさはあらざらむうで生へにけむ井の中より出でしあをき身のかはづやありけむさて、か
そこに0が居るそいつは真性という夢物語ではなく現実のほこり高き尊い0無いという幻想に惑わされて誰もそいつが見えないしかしそいつは確かに居て再生の時を待っている
なまめかしき女、柳がもとにたてるをよぎる男の寄りて 春風の柳の枝をふるふとも わが身にふれじ凪の黒髪女、いとをかしとて返しけり 春空も雲にまぎれてつれなきに 雨ふらぬまに率てたまはなむさて男、女がため柳の御簾をよけたりて二人いにけれ
男、鬼とぞ呼ばれける人を食らはざりけりむかし女をぬすみ出でける高き人鬼一口にて女を食いけりと言ひしことなむ偽りなりける率ていきけるほど女を憂きものと飽きけるにあばらなる藏にうちすててけりさて、足ずりをして泣けるは女なりかの鬼、かなしと思ひて
山ぎはの月に誘はれ足もとへまなこ落とさば雲にまがひぬ 141019アーモンドチョコレートうううますぎるまだまだあるぞアーモンドチョコ! 141020あらはるる遺伝子型のいたづらにつながれてける我がぬるき血よ 141023黒き影、空を
アーモンドチョコレートーッ!右手の公転周期がはやまる突き出したアゴにおさめられた黒いカーテンをめくると僕の惑星に落ちたいとチョコレート色の(チョコレートーッ!)隕石が引力で声をひっぱる周回軌道を帰る右手がせまる!大気圏に突入する時に放つ虹色の
温かくて柔らかくて清らかな白い花両手ですくいあげようとしたときササクレ立った黒い手はただ影にしか見えなくて実体のない闇の一部でしかなくて触れることもできず遠くに行こうとする光を追いかけるだけ追いかけて時が経つにつれて長くなっていく影に引きず
月は愛をうばわれ青くさびしく太陽は恋をしても近よれないこの星に満ちる穏やかなるものを二人は分け合う夢をみてみずみずしい星にさよならをほらと手をのばせばそこに居ずなみなみと注がれた水が残るばかり
をんなどもの果敢無さにあな愛しと思ほゆれども忍ぶるは強し〔果敢無さ(はかなさ)、愛し(うつくし)=愛おしい、強し(こはし)いつの間に地球は上向き太陽を眼下に置いてさめざめと冬 屋根の下ばかりに居りて雑然のゴミの日の空に星見つけたり 立ちんぼも見
懐に狗のひそめし懸想文 恋ふるをみなを想ひつづるに*かろき小男ありて誰そ知らねどいと*やむごとなき*際に見えたる方我が狗になれ、とのたまひて褒美を与ふること*結びたるゆえ男、一日を暮らしかぬるよしにて受けたり銭なる綱にくくられてあるじの
ラッパ飲み端なしとぞ言ひけるがコマーシャルにて今を歌へり 〔端なき(はしたなき)〕一度きり覚悟して差せ迷い箸渡る彼方に望み定めよ 〔彼方(あなた)=向こう〕「携帯はご遠慮給へ」も今は昔手に持たぬ者何処にか居らむ 〔何処にか(いづくに
母ちゃんの様子毎朝見に寄らば風邪は治れど寂しさ変わらず スーパーの駐車スペース空きたるを「今日少なかね」微笑みて母 スーパーの入口に泳ぐ秋刀魚の絵群れにつられて母も連なり 久々の風に母ちゃん背伸びして健やかなれと我荷物受く 帰りぎわ
聴こゆるは秋に紛れて独り泣く静かなる日にツクツクボウシ 大風の吹き荒れしのち晴れたれど山際雲の影をひそめり 真夜中の明々眩しコンビニの時は曖昧叫ぶ天井 夜になればあいも変わらず咳が出て心配性の妻にゴメンね スズメがね、
国道わきの電線を支える鉄塔紅白の厳格な縞模様が寝ぼけた空の前に立っているしっかりと掴まれた電線は遠くなるほど地面を欲しがっていて向こうとこちらで懸命に引っ張り上げているのだが腰は幾分電線側に曲がっている様に見える
先ほどの雨に路地がぬかるむ浪人の草履は濡れ足の裏が泥にまみれているが風呂屋に入るのも煩わしく道行く者どもをしかめっ面で遠ざけている日も暮れかかる頃障子戸に浮き出たひさごの文字につられ桟に手をかけようとした時敷居の手前の羽目板が割れ溝に足を突
『木の葉のワルツ』141014雑木林の枝や葉が台風が近づいていることを踊りながら知らせている枝が手をはなすと葉は風にまとわりついて強さを測る目盛りになる体が干からびてもなお木の言いつけを守り風と踊り続けるいつか粉になるまで
来し方の日を食みて残る黴の香に胸鋤かるるは柔手のあたり【読み】こしかたのけをはみてのこるかびのかにむねすかるるはにこでのあたり【直訳】来た方(ほう)の日々を食べて残る黴(カビ)の匂いに胸を掘り起こされるのは柔らかな手の感触【意訳】過ぎ去りし日々
いつもの時間にいつもの道を通り、仕事場へ向かっていた。私にとってあまりにありふれた時間に、このまま老いまで直行させられるように感じられて、私は横道にそれてみることにした。 出来るだけ細い道に迷いこんで、仕事に遅れてしまえばいいとさえ思って
風化した筈のあの人のイントネーションと温度がそっくりそのまま耳の入り口付近で響くちょっと真似てみる何か乗り移ったようで嬉しいような穴がもっと大きくなったような
風呂場の扉を開けると私を狂わす大きな“mushi”が居た妻はまだ眠っている早朝私がヤルしかない専用ノズル付きスプレーを急ぎ構えて噴射激しく直にかかる薬剤を浴びながら“mushi”は体を丸めて耐え得体の知れない攻撃をやり過ごそうとしている噴射し続ける靄
快晴の空を切りとるコンビニの 四角い青は過ぎたりと知る 141008肺炎と聞いてそりゃそう風邪じゃない 生かしちゃおかねぇ表へ出ろい141009細菌の収集家なのか?百日咳、 マイコプラズマ、肺炎球菌 141009君達を少し邪魔して二人きり 皆既月食、月う
生きているとすんなり前に進ませてはくれない何にか、と言えばいろんなこと例えば風邪風が文字通り悪い風だとすると玄関のチャイムが鳴る部屋の男は忍び足で玄関に近付きのぞき穴に右目を当てる【ヴァイオレンス 男がのぞき穴に顔を近付けた時 何故か何も見
【春待ちわびた花の咲く期のやすらぎに 住み処にこもり背を向くきみよ伏す父の真白のとこの笑みをして さむざむと過ぐ春の夕暮れねむねむのおめめをこすりおっきして まだまだやまぬおしごとのやま一度だけ店にいらした客人の 心づくしはおかし、ほおばる