盗まれたバイク仕方なく徒歩で歩き出す十五夜の月僕は自分が主人公でないことを痛感し月を朧に歪ませた僕のバイクにまたがってこの夜を疾走している少年がいる彼はきっと自分が悲劇のヒーローであると陶酔しきっていることだろう地道に貯金をして貯めたお金三
「でも……」「いや、本当に一人で大丈夫だから」「そう……じゃあ、気を付けてね」「ああ」僕は生返事を返し、猫の死体に向き直る。 そんな僕らの一連のやり取りが、よほど気に入らなかったのだろう。片桐が棘棘しくも「猫の死体を前に、イチャイチャして
回想しよう。猫との出会い……ーいや、銃との出会いを――それは三ヶ月前のこと。@@@@@@@@@@@ 猫はもう死んでいた。高速のインター近くのハンバーガーショップ、バイトの僕がゴミを捨てようと店裏のゴミ箱を開けたらそこに、猫の死体が入ってい
透明な銃を握りしめ僕は雨の中、人混みに紛れて機会を伺っていた。猫が言う。「あの男だ」僕は黙って頷く。「分かっていると思うが――」猫が氷の温度で宣告をする「お前が生き延びるには、あの男を殺すしかない」「ああ……分かっているよ。そういう、契約
中編以上の小説を書きたいのですがいつも衝動的に書き始めてしまい、息切れして頓挫するというパターンが、最近続いております。 まぁ所詮趣味で書いているのでどうでもいいのですが、ちゃんとした作品の体をなすものを書き上げたく思い、black black bloo
先日GEX主催の観賞魚セミナーにて、漫画家にして、世界ランク8位の水草レイアウター、タナカカツキ先生より伝授された立ち上げ方法ーー「テラリウムにして、ラップして、草生えてから、水入れる。ハイ、これだけ」立ち上げ初期の苔問題も、いっきに解決。グ
「お前平田だろ?」→You 'll Hirata ?「じゃあ力でやれや」→So doing by force please「元気があれば、何でも出来る」→You can do anything if there is a healthy「我々は殺し合いをしてるんじゃないんです」→We are do not you have a killin「時は来た
ヘルニアうつしてぇ( ゚д゚ )クワッ!! もしこの腰の痛みが感染性のものだったら、誰彼構わず腰を擦り付けてうつしてやるのになぁ……いや、別に悪意があるわけじゃないですよ。むしろ善意でそう思っているのです。 つまり、ヘルニアになって僕は、健康である
朝日の色が瞼に乗る。瞼染め、沁み入る――瞳に色が届く。琥珀に少しオレンジを混ぜた、そんな色合い――漆黒の眼球世界が、光に侵され、朝、物憂げにシャッターが開く、カーテンの隙間から漏れくる光、朝、僕はぼんやりと、このままやり過ごすことはできま
カタツムリに恋をした「僕はナメクジ」 穢れきっていたハズのこの世界――たったの一雨がすべてを変えた。 「……美しい」そう認めざるをえない。雨上がりの青空が、凄惨な蒼を僕に突き付ける。植物たちの緑、輝き――命を限界burstさせて輝度を増し、透
ツールナイフのmechanismが金切声を上げる そは「殺意の産声」いやそのキャシャリーーーン然とした雄叫び様を鑑みてば「産吠」というが妥当「殺すために作られたはずはない」不安げに確信する いや確信しようとする自殺自演のバラバラ指 アルコールの姦計明礬石を嵌め
心臓は房と室に隔てられた構造をしている心房と心室だ「心はきっとそこにいる」心室に住まう心はキミを想う心たまぁに全身を駆け巡ったりソファーに寝転んだりしてのどかにキミに焦がれている心房の房は独房の房そこに閉じ込められているのはやはりキミを想う
ママのくそ丁寧な運転に揺られながら車中、私は鼻息を荒げて悶々としている。すべてアイツのせい――アイツがスタジオの予約を忘れていた――いや、忘れるとか以前の問題。酔い潰れて寝過ごしたが為に、こうして鼻息をフンガフンガさせている。 本当なら今
「着いたわよ」――後部座席でイチャついていた励起子と私をたしなめるようなトーンで、ママ夫が告げる。店に着いた。真っ黒に塗られた外壁、重厚なブラックウッドの扉、錆びついた立て看板、文字――『B2B』和也の経営するタトゥーショップの屋号だ。 「マ
キミと目が合うたび はみ出しそうになる一箇所に血が集まりむっくりと頭をもたげるキミが笑うボクはどういう顔をしていいかわからない隠しておきたいのに大きくなりすぎて……キミの唇がうごくその動きが想像を掻き立てるボクの希望はとっくに汚れてしまって
君の脊髄にkissをする君をバラしてkissをするアイシテルカラ皮や肉では満足できない君のcoreに触れたいのですたくさんの欠片になってしまった君作業を終えた僕は道具達を床に落とす踏みしめ 君だったはずの物体を捜す脊髄を選び 手に取りニオイを嗅ぎ手首まで
することがないのでベッドの端、僕はウニになってみる。 まずこの部屋を、海底に模様替えしなければならない。薄目をさらに薄め、見つめる壁紙、脳内でレイヤー処理。お気に入り――オホーツク#05 たゆたゆとたゆとう1/fの揺らめきこそは、モニターから漏
フト気がつけばそうしている音楽も本も服も映画もいつの間にか私はキミの面影に沿うように目で指で探っているよキミの輪郭を