アパートの手すりにしがみつき子供の僕は空を眺めてる見張っていたんだ明日の遠足を中止させる黒い雲が来ないように猫のような白い雲君はきっといい雲だクレヨン線みたいなひこーき雲君はただの通りすがりデパートの頭上にかぶりつき子供の視線が雲を見張って
セガ・マークIIIが人生を決めた線路の分岐に置かれた筐体小3の人生をぐーとカーブさせる友達が皆ファミコンで遊んでいるでもうちにはセガしかない友達が皆ファミコンで遊んでいるでもうちにはセガしかないセガのがいいと自分に言い聞かせる日向と日陰の境目
「ぶちカッコええじゃん!これー!すげー!お前が作ったン?なぁ?これお前が作ったン?マジすげー!え?お前一人で作ったン?これ?一人で全部作ったン?まーじで?ありえんのんじゃけどーこれー。かっこえすぎるじゃろう、いや、しつこいかも知れんけどぶり
さけるチーズを裂いてみる。 蛍光灯の明りに翳す。剥がれかけの樹皮のように垂れ下がっているささくれ、くちびるで挟み込む。「裂けない心が欲しい」 こんなにもろもろとした心じゃ生きてけない。ほっそい繊維を適当に束ねただけの心、一束いったい何文や
僕にはお金がないないだけならまだいいつまりその数字の左隣に横棒がくっ付いてるくらい無いでも君が好きだだから考えたお金がないけどできること君の愚痴を聞くことたまぁに料理をつくること君とゲームをることお風呂を掃除すること一緒にコメダ珈琲に行くこ
「ドラえも〜ん、聞いてよぉ〜。またジャイアンにイジメられたんだよ。それだけじゃなくって、スネ夫が新しいラジコンを自慢してくるんだ。あとしずかちゃんにも嫌われちゃって、テストで0点とって、ママが庭の草むしりしろってウルさいいだ。どうしたらいん
「(あ)と(い)が不足しておりますご協力お願いしまーす」 街頭でボランティアが言葉を募っている。「恵まれない人達のために言葉をお願いします」「宜しくお願いします」 女の子と目が合う。「(あ)と(い)が不足しているんですよね」「そうです」 ポ
「ヒーローインタビューは山中選手です。どうぞこちらへ」「ありがとうございます」「いやー、最後のすごかったですね」「……そう、ですかね?」「誰も考えつかない意外な作戦だったと思いますが、いかがですか?」「いや、まぁ、ある意味そうですね」「ご自
目の前の信号が青になるのを何百回、何千回、いや何万回と見てきたが一度も渡ったことは無い。 理由は単純、横断歩道の向こうに用事が無い。僕の仕事は、横断歩道のこちら側に立って、ただひたすらティッシュを配ること。来る日も来る日も。 1日3件、3
昼休みが終わる。教室に入る。そして自分の席に着き、かばんから教科書を出す。 くすくす 誰だ?笑ってるのは? くすくす「あはははそっくりー」「え?」「ちょっと君、安田君そっくりーうけるー」「は?何言ってんの?」「うわーその言い方とか本人とし
店内はビデオをレンタルするためにやって来た犬でいっぱいだ。・101匹わんちゃん大行進・マリリンに会いたい・南極物語 など定番映画から――・飼い主が喜ぶ100このこと・見て覚える正しいトイレ・さりげないオヤツのねだり方・飼い主を飼う などのHow t
私には好きな男性がいる。 会社の先輩の藤田さんだ。 やさしくて、仕事が出来て、背が高くて、手がきれいで……あぁ結婚したい。どうしても彼と結婚したいんです! とりあえず情報収集。さりげなく彼が同僚達と話しているのを立ち聞き。「あのさー藤田っ
終結せぬ流血切り口は開いたきり口をあけたまま後悔がこう皆目検討がつかぬものとはベットは血でべっとべと女の目は空ろで何も映ろうとしない刺す気も殺気もさっきまでなかった買ったばっかりのカッターナイフをかたかたいわせこの場合やばい刃ふるふる震える
「はなこちゃーん何書いてるの?」「はなこねー雑草に花言葉つけてあげてるの」「へー、いいわねー。どんな花言葉を付けてあたのか先生見たいなー」「いやだよー」「どうして?恥ずかしいの?」「違うよ。引き攣るんだもん」「え?どういうこと?」「大人は皆
アナタと別れてもう3年が touch mouse今、昔を nutsかしんでお手紙書いてますアナタはいま Doされてますか?私はカナダに来てもう dive慣れましたDemoアナタのいないカナダの冬は some過ぎます今更ですがもしもあの時、あなたに Goingに引き止められていた
俺は女の子と逃げている。見ず知らずの女の子だ。親とはぐれたらしい。一人で逃げる方が安全なのは分かるが、ほっとけない。 女の子を抱きかかえて、辿り着いた廃屋。窓の下に座り。話しかける。「ここなら安全だ」 女の子は俺をまっすぐに見据えて――
白状する僕はエスパーだ能力はただひとつ君を想うだけで海の一滴をこの頬にテレポーテーションさせる僕はヒーローになりたかったでもこのちんけなチカラで一体何が出来るというのかそして今日も一滴の海を呼び寄せる世界を救うなん出来っこないましてや君をな
世界中に病気がまんえんして、僕らは死ぬるかも知れない。そんな夏休みを家に閉じこめたの、神様なのだろうか? あの子の笑顔の小さな八重歯、布の下に隠れちゃった。でも僕はそんな半分の笑顔でもぜんぜんかまわない。 教室に射す夕陽はいつもと同じ色、