「溢れなければ涙は、一粒とカウントされることはないのだろうか?」笑顔でキミに手を降って一人バスに乗り窓に流れる街並みに視覚情報を固定したままワタシは考えているのです*****瞼の隙間に溜め込んでキミに見せないよう見せないようそうっと空に蒸発
イルカが目くじらを立てシャチがサメザメと泣いたトドのつまりはセイウチさ「イルカいないかオットセイ」呪言(ジュゴン)唱えるゴマフアザラシ一方海底では……晴天を願うアメフラシヒトデが足らぬとぼやいているナマコのまなこがそれを見て「そいつはゴカイ
臓器 螺旋の臓器 螺旋の臓器に感情が寄る僕の胎内で螺子くれて みゃくみゃく脈撃つ感覚器あの日誤飲したビー玉?透明硝子が包み込む 色彩の縺れこそがこの感情の正体なのだろうか?「そんな筈はない」それを断言できるだけの悲しみを 僕は十分に内包して
昔×2ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。 おじいさんは山へ屍(しかばね)狩りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。 おばあさんが川で返り血のついた洗濯物を洗っていると―― どんぶぐぁーもけけけけごぉぉぉぉぉどごがすっどがっ…
夜空で星が冷えている ベットで腰が冷えている 冷えるほどに星はサンサンと輝きを増し 冷えるほどに腰はジンジンと痛みを増す(ヘルニア) 人々は星に想いを持ち寄り誓いを立て 私は腰に重い物持たないようにしよーと誓う 星は美し 腰はうずくし 星よ星よ 願
シンシアは、テーブルに顔を近づけ、細い眼を更に細め、そににあるはずの「何か」を見定めようとする―― テーブルの上にあるはずの「何か」 カシャ ひとつ音がする。「何か」が動いた音ーテーブルの上で蠢いている。 シンシアの眼球に映る。釣糸を編ん