ピンクスパイダーよ鼓膜を破って侵入しろ三半規管に爪を立て禍々し牙に毒涎滴らせ僕のすべてを狩るがよい脳細胞にbiteして意識のパイプを絶て十字を切る暇さえ与えずに譫妄意識がrocket diveしてゆくダイナマイトな涙潰し腐り散り行くまま栗の花さきゃ昨日に

続きを読む

お手本のような夏空呼び声に振り向くとすぐそこに黄色い惑星透明な水滴を幾粒も張り付かせ宙に浮く未確認飛行物体私の耳に「ほいっ」という声が届いた映像よりだいぶラグってあの人の手から放られて空にぽっかり浮かんでいるキンッと冷えた炭酸飲料あの人の笑

続きを読む

　僕は生まれつき心臓に穴が開いていた。『心房中隔欠損症』という病気だ。　医者にはハッキリと「心臓の奇形」だと言われた。高校2年生の僕に、その言葉は衝撃だった。と、同時に自分が『奇形』という言葉ないしはそういった人に対して、ある種の偏見を持っ

続きを読む

　風邪をひいてしまった、彼女に電話をした。「もうっ！だからいつも言ってるのにぃ、エアコン効かせすぎだって！夏風は治りにくいから、最初が肝心よ……待ってて、今、風邪薬持って行くから、ちゃんと布団に入って寝てるのよ！私が行くまで」　彼女の過度な

続きを読む

　波打ち際、波が引き切った瞬間、全身が大気に剥き出しになる。空の青に置きざられ、生きることの喪失と充実、相反するアンビバレンスが五体の中に両存しているのを感じる。といった波任せの刺激的アバンチュールに身を委ねている私はヒトデ。漢字で海星と書

続きを読む

肩を抱き顔を寄せ君の涙僕の頬へと渡らせる透明に揺らめく一滴半滴でもいいシェアさせてくれ君の頬が少しでも早く乾くように

続きを読む

「教室のみんなぁー！こんにちわー。『こわしてあそぼう』始まるよぉ。僕の名前は、どきどきさん。色んな物を壊すのが、だぁーい好きなお兄さんだよ。そして、隣にいるのが、相棒のポロリ。さぁ、ポロリ、皆に挨拶して」「みんなぁー、元気ぃ？僕はボロリ。宜

続きを読む

君の心には届かないかもしれないれもねーど僕は君を愛している人生辛い時もあるれもねーど君が側に居てくれるなら僕は頑張れる気がする君を傷つけてしまう事もあるかもしれないれもねーど分かって欲しい君の事を真剣に思うからこそ傷つけてしまうんだだと思う

続きを読む

臓器螺旋 僕の胎内で螺子くれてみゃくみゃく脈撃つ螺旋に流る感傷無意識にて明確に知覚する感覚器官の一種少年の日に誤飲したビー玉透明硝子が包み込む色彩の縺れこそがこの感傷の正体？「そんな筈はない」そんなに有機的なものではないのだこの感傷はそれを

続きを読む

「それで納得がいった」　ジン、百子の左肩に触れる。「見ても、いいかな？」　百子は黙って頷く。　ジンが肩を掴むと、金属の擦り合わさる音、カシャカシャと小気味良く鳴り、左腕が割れて可変、次々に銃口と刃が現れた。天井の照明の弱い光に、鈍く光る。「

続きを読む