鼻毛を抜こうと思う。ただの鼻毛じゃない。剛毛と言ってよい、いや、剛毛どころじゃない。鬼のような鼻毛だ。鬼のそうだなぁ、すね毛辺りがちょうどこんな感じ？うん、鬼のすね毛だな。いや待て、鬼のすね毛どころじゃない。もはやゲームやマンガ並みの現実

続きを読む

「今西暦何年ですか？」　と聞くべきなのだろうが怖くてできない。もしもその返答が、出発時よりも30年以上先だとしたら、二度と元の時代には戻れない――出発前に博士に何度も念を押された。念を押されるまでもなく、そんな無謀を侵すつもりなんて毛頭なかっ

続きを読む

優しく包み込む両の頬を手のひらでそしたらあの子ニッコリ首傾げ僕の親指を握り「なぁに？」とため息のように囁く＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃そこで妄想行き止まり僕の手あの子の最愛にはなれないだってあの子は肉球マニアどんなに鍛え血管浮かせどプニプニから遠ざ

続きを読む

エマレケセ　エケエケ　ドイポイレレミレ　マ　ドセイドセイドーピンムレ　ガンテラピンコレーレレ　レセウ　ウドルンコドンコドンコメガセランドラセーマレンレ　ノ　ドドイッセポイポイメケメケント　ホドリゴ　ノゲイラペンテテ　ペンテテ　チバラスガチウ

続きを読む

セロテープのとっかかりを探すように人生に爪を立てるセロテープのとっかかりを探すように人生に爪を立てるぐるぐる巻きにされた透明で薄っぺらい日常をいっそ全部ひっ剥がしてやろうと何度も爪を往復させて目を凝らせば薄っすらと今日と明日の境目が見えるけ

続きを読む

「大丈夫かい？勝代さん」「うるさいわね」　肘を抑えうずくまる私、心配して声を掛けてくれた掃除のおばさんにきつく当たってしまった。「いい様ね。そんな肘でもまだ、私に張り合うというの？」　私を見下ろす女、ライバルの美津子だ。「貴女には負けない！

続きを読む

　近所のダイレックス、仕事帰り毎日寄る。レジのおばさん、聞くおばさんだ。「レジ袋は御要りようですか？」「ポイントカードは？」「御作りしましょうか？」　レジ籠を受けてから支払いまでに、上の３点は必ず聞く。　近所のダイレックス、仕事がない日も行

続きを読む

ヘッドホンはきっと魂を挟むためのクリップ電線の弦を街路樹が爪弾く歩道の影僕は主人公の居ない物語の主役スマホはもはや脳の延長月が危なくて脆い君の名は絶望の対義語自慰と自傷のミルフィーユ仕立てで御座います週末のザハゲが終わり月曜から始まる嘘はき

続きを読む

「まぁ、この子ったら、お庭にパンなんか撒いて、ネズミが寄ってきたらどうするの？」「違うのママ、私、弟が欲しいの」「弟？」「そう、きっとこうしてパンを撒いたら、パンを目当てにコウノトリさんがやって来るわ。弟を連れて」「まぁスージーったら、パン

続きを読む