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日記一覧

 君塚直隆『ヨーロッパ近代史』(ちくま新書、2019年)を読む。まず、読み物としてとても面白い本だった。15世紀から20世紀前半までの期間を八つに章立てているのだけれど、その時代ごとに生きた人物の列伝のように仕立てている。たとえば、第一章はレオナル

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 昨年から少しずつ作ってきたランタン風のステンドグラスがようやく完成した。もともとはハロウィンに合わせて完成させるはずが、クリスマスはもちろん、さらに一か月も遅れてしまった。 基本的に、本に載っていたデザインを参考に作っていたのだけれど、い

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 今年は消費税が10%に引き上げられる予定だけれど、それに限らず、税金や年金、保険料の負担は年々、大きくなっているように感じられる。それに対して、私たちが受けられる行政サービスは決して向上しているわけではない。それは当然で、労働人口が減少する

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 高橋典幸/五味文彦編『中世史講義』(ちくま新書、2019年)には、15講それぞれに読むべきものがあるけれど、今回は第3講「日宋・日元貿易の展開」に触れてみたい。これは、『僧侶と海商たちの東シナ海』(講談社選書メチエ、2010年)の榎本渉先生が書かれて

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 高橋典幸/五味文彦編『中世史講義』(ちくま新書、2019年)を読む。ちくま新書の「〇〇史講義」シリーズは、テーマごとにその分野の動向を簡単に解説していて、ざっと理解するには適当な本である。ただ、最近の支持されている学説などを紹介するだけで終わ

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ルノーとフランス政府
2019年01月26日17:37

 フランス政府がルノーと日産の経営統合を打診してきた報道で、「政府がなぜそこまで出てくるのか」と思ったけれど、ルノーは戦後、長い間、国有企業だった。戦後間もない1945年、ドゴールの行政命令を受けて、ルノー公団として国有化された。1996年に完全民

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 服部龍二『高坂正堯』(中公新書、2018年)を読む。戦後の代表的な国際政治学者・高坂正堯の評伝である。その生い立ちから、28歳で論壇に鮮烈なデビューを飾り、佐藤栄作、大平正芳、中曽根康弘らの政権でブレーンとして活躍したこと、そしてその早すぎる死

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 新聞報道などによると、中国経済の減速がより鮮明になってきているようだ。昨年の秋から、製造業などの落ち込みが広がり、米中貿易摩擦もあって、雇用や物価にもその影響が表れ始めている。 中国経済が曲がり角に差し掛かりつつあるという見方は、昨年の後

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平成と小沢一郎
2019年01月23日17:49

 平成元年、小沢一郎氏はすでに、自民党の幹事長になっていた。それから三十余年、小沢氏は常に政界の第一線にいる。周囲を見渡しても、そんな政治家は他にいない。政治家としての評価は賛否両論あるけれども、その存在感だけはいまもって失われていない。 

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帰郷と散策
2019年01月22日20:44

 日曜に帰郷。横浜よりも緯度は低いのだけれど、太平洋に接していないので、瀬戸内海から吹きつける冷たい北風に身が縮まる。マンションでは、特に暖房をつけなくても凍えることはないけれど、築60年近い実家は、家のなかなのに極寒で、熱効率が悪いため、暖

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 フランスのいわゆる「黄色いベスト運動」は、当初は燃料税の引き上げに対する抗議として伝えられていたものの、政府がその実施を延長すると発表して以降も、継続して行われている。私たちがメディアを通じて見る運動は、だいたいがパリの状況だけれども、実

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 昨年末に「フランスデモ、怒りの根底にある「庶民軽視・緊縮財政」の現代史」というコラムを現代ビジネスのサイトで読んだ。フランスでは現在でも、黄色いベスト運動(ジレ・ジョーヌ)が続いていて、国内は混乱している。長期に及ぶ抗議活動は、フランス経

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落選もまた人生だ。
2019年01月19日10:45

 森見登美彦さんが新刊の『熱帯』で直木賞候補にノミネートされていたのだけれど、残念ながら選から漏れたようである。森見さんは過去にも『夜行』でノミネートされていた。 それについて、森見さんはブログで「森見登美彦氏、直木賞に敗北する。」というエ

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藤沢北部の歩き方
2019年01月18日21:08

 もうお爺ちゃんなのかもしれないけれど、私はやたらと散歩をする。ただ行く当てはないのだけれど、途中で見つけた寺社や史跡などから、深掘りしていくのが専らだ。 慶應義塾大学は、三田、日吉・矢上、そして医学部の信濃町だけでなく、湘南藤沢にキャンパ

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 私たちのイメージする公家、貴族は、質実剛健な武家、武士のそれと対照的で、毎日のように和歌を詠み、蹴鞠などして遊んで暮らしていたと捉えがちである。これは私たちがドラマや小説など、「武士の物語」に馴染んできたからなのだけれど、その原型は平安時

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 事前に予想されていた通り、英議会はEU離脱協定案を反対多数で否決した。実に230票差である。普通、議会で過半数を占める与党が政権を担っているなかで、これだけの反対票が出るのは珍しい。野党・労働党だけでなく、与党・保守党からも三分の一を上回る議

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松山、道後のこと
2019年01月15日14:27

 道後温泉の本館などに耐震工事の必要があるという話は、数年前から聞いていた。けれども、大規模修繕ともなると、温泉の営業を止めなければならず、そうなると観光にも大打撃を受けるから、同意が得られないということだった。このほど、ようやく一部営業を

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 この冬話題の「ボヘミアン・ラプソディ」を今更ながら観てきた。伝説のバンド、クイーンとそのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記的作品である。 公開から二か月くらい経っているにもかかわらず、劇場はほぼ満席だった。おそらくは、二度、三度と観に

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 平山優『戦国大名と国衆』(角川選書、2018年)、読了。主に武田氏の領国における国衆の成立と展開について詳述した本である。 「国衆」という歴史用語は、たとえば2016年に大河ドラマで放映された「真田丸」などにより、かなり一般にも認知されたものと思

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2019年の日韓関係
2019年01月12日16:13

 2019年はじまりの日韓関係も、好転する兆しが全くない。元徴用工の判決に慰安婦財団の解散、さらに韓国の駆逐艦からのレーダー照射と、これまで日韓関係の安定に力を尽くしてきた人たちは、頭を抱えるばかりのことが起きている。 日本で展開される論調は、

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近世の都市と治水事業
2019年01月11日23:03

 平安時代後期、ときの「帝王」白河法皇が「天下三不如意」と挙げたとされるものに、「賀茂河の水、双六の賽、山法師」がある(『平家物語』)。山法師とは、無理難題を強訴する比叡山の僧兵である。双六の賽は、サイコロの目のこと。そして加茂川の水は、大

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 米澤穂信『本と鍵の季節』(集英社、2018年)を読み終えた。主な登場人物は、高校二年の男子二人。人が死ぬような話ではなく、ライトなミステリ小説である。そして目の前の謎を解き明かしたあとの、鈍い痛みというか、苦みが残る感じも、いつもの米澤節とい

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ガンプラの今昔
2019年01月09日23:04

 家電量販店のおもちゃフロアのプラモデルコーナーは、その半分ばかりがガンダムで占められていた。もう少しマニアックなところに行けば、戦車や戦闘機、城郭などもあるのかもしれない。私は子どもの頃、江戸城や姫路城のプラモデルも作っていたけれど、やは

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 小笠原弘幸『オスマン帝国』(中公新書、2018年)を読む。勃興から滅亡に至る600年の通史であり、質量ともに読みごたえがあった。 オスマン帝国は、13世紀末のアナトリア(東アジア)北西部において、ムスリムの信仰戦士(ガーズィー)たちのなかで、オス

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 30年前の1989年1月8日は、「平成」最初の日だった。前日に昭和天皇が崩御され、その日に新たな元号「平成」が小渕官房長官によって発表された。 前年の9月に昭和天皇の病状が重篤であると発表されてから、自粛ムードが広がった。この頃、毎週のように剣道

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既存メディアとSNS
2019年01月07日22:53

 インターネットというか、SNSがここまで普及する前は、週刊誌で少しくらい煽情的な表現が踊っていたとしても、ここまで批判は広がらなかったに違いない。いまは、個人の言動にせよ、マスメディアの姿勢にせよ、ネットに上がれば一気に拡散する。それはとき

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初期江戸の街について
2019年01月06日11:04

 NHKの正月時代劇「家康、江戸を建てる」が二夜連続で放映されていた。原作は門井慶喜の同名小説である。 徳川家康が後北条氏の旧領を豊臣秀吉から拝領し、江戸に居城を定めたことが、こんにちの東京のはじまりとされている。ドラマでは蘆がどこまでも生い

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 今年、最初に読み終えたのは、坂井孝一『承久の乱』(中公新書、2018年)。承久の乱とは、1221(承久3)年に後鳥羽上皇が鎌倉幕府執権・北条義時を追討する院宣を出したことをきっかけとして、幕府と朝廷の間で戦いが起こり、幕府側が勝利した出来事である

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雑煮ロスの正月
2019年01月04日21:48

 子どもの頃、正月も七日を過ぎて三学期が始まろうとするときまで、私は雑煮を食べ続けていた。母が無理やりそうしていたわけではなく、むしろ私が雑煮を要求し続けたからだ。 郷里の雑煮は、白みそベースのあん餅である。あんこが入ったみそ汁なんか飲める

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正月気分もそろそろ…
2019年01月03日14:39

 箱根駅伝は復路の8区で首位に立ち、そのまま総合優勝を果たした。例年だと、往路ですでに独走状態だとか、復路でも早々と距離が開くということも珍しくなかったけれど、今年は最後まで目が離せない展開だった。東海大学は大会の常連ではあったけれど、優勝

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