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日記一覧

 「平成最後の」という枕詞があちこちで聞かれた2017年の歳末も、間もなく終わろうとしている。譲位という異例の決定によって、元号が間もなく変わることを私たちは知っている。昭和から平成のときと、その点は大きな違いなのだけれど、いまから30年前、すな

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 梶谷懐『中国経済講義』(中公新書、2018年)を読む。 国際社会において、年々影響力を拡大している中国については、1990年代の改革開放後、さまざまな「予測」がなされてきた。私たちがよく耳にするのは、中国がこのまま世界をけん引する超大国になるとい

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歳末、都市の静けさ
2018年12月29日15:34

 2018年も残すところあと3日。今日、明日は土日なので、ほとんどの企業は昨日までで仕事納めも済んでいるはずだ。昨日も大きなスーツケースを押しながら駅の改札に向かう人たちがいて、今日は特に帰省ラッシュのピークらしい。 数日前から強い寒気が南下し

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 戦後史を考える上で、日米安保体制は安全保障はもちろん、外交的にもその機軸をなすものと見なされている。しかしそれが直ちに「日米同盟」と、同時代の人たちから理解されていたわけではない。吉次公介『日米安保体制』(岩波新書、2018年)は、その成立か

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帰省時期の寒波
2018年12月27日18:16

 今年は師走に入っても小春日和が続いたところが多く、北海道や東北でも雪が長く降らなかった。ただ、豪雪地帯で暮らす人たちが言うには、「降らなかったぶん、あとからドカ雪がくる」。郷里も全国的に少雨の地域だけれど、確かに渇水もずっと続くわけではな

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 私は両親や祖父母のほとんどをガンで亡くした、典型的なガン家系である。そのため、近しい人が末期ガンで苦しむ姿を何度も見てきた。家族としても、精神的にそういう姿を目の当たりにするのは辛いものだった。 どこにガンがあるのか、どういった種類なのか

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読書と健康の関係
2018年12月25日14:43

 「読書をする人が、健康寿命も長い傾向がある」というデータがあったとして、それは必ずしも「読書をする→健康寿命がのびる」に結びつくわけではない。データから、読書をする人の傾向と健康寿命には相関関係があるとはいえるかもしれない。けれども、「読

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時代劇のこれから
2018年12月24日21:55

 いまの少年たちはもちろん、かつての子どもたちにとって、ヒーロー戦隊や特撮ものは、初めて触れるドラマのひとつだろう。そしてそのフォーマットは、時代劇と意外なほど似通っている。勧善懲悪、派手な殺陣、演出、そして終盤のカタルシス。人を熱くさせる

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 先日読んだ、小川原正道『小泉信三』(中公新書、2018年)でも、詳しく触れているように、小泉信三は今上天皇の皇太子時代の教育掛として、強い影響を与えた。小泉は、第一次世界大戦をはさんだ多難な時期にイギリス国王として帝国の融和に腐心したジョージ

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 2018年は日韓にとって、近年になく最悪な関係に陥った年だったといえるかもしれない。これは数年前に、やはり同じく「最悪」とされていた日中関係が近年好転しているのと対称的である。 今年読んだ本の中で印象的だったもののひとつに、金恩貞『日韓国交正

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中道路線と政党の悲哀
2018年12月21日14:24

 戦後日本で、中道路線はたびたび模索されてきた。たとえば、社会党も当初は中道派が主導権を握っていた。階級闘争を行うのではなく、都市労働者からの支持を受け皿として、雇用や福祉を政策の中心に据える立場を取ろうとしたのである。 こうした志向は、戦

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気後れの師走
2018年12月20日23:29

 クリスマス後、暮れにかけてまた寒さが厳しくなるようだけれど、ここ数日は冷え込みも緩んでいて過ごしやすい。今日は弱い雨も降っていた。 慌ただしい時期にもかかわらず、気持ちは空回りしてしまっていて、やりたいことのいくつかもできないまま、過ごし

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 お世話になっている証券会社から勧められたソフトバンクの新規公開株だけれど、初日の終値も1282円にとどまり、売り出し価格1500円より15%近く下回った。私はそもそもお金がないので丁重にお断りしたのだけれど、証券会社はかなり強気だった。 株や債券、

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師走のやらかし
2018年12月18日17:18

 数年に一度くらい、のちのちまでネタになるようなことをやらかしてしまう。強風で帰郷の電車が途中で止まってしまってひと晩明かす羽目になったとか、気づいたら携帯電話を落としてしまって路頭に迷ったりとか。 そして今回は、近所のスーパーに出かけただ

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落ち葉集め
2018年12月17日19:06

 午後から冷たい北風が吹き始めて、この時期としては暖かだったのもつかの間、冬の寒さが戻ってきた。そうなると我が家のイチョウも、そろそろ散りどきを迎える。 ご近所の方たちからは、お世辞も含まれているとはいえ、「イチョウやモミジの色が鮮やかでい

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 若尾政希『百姓一揆』(岩波新書、2018年)を読む。学術的に百姓一揆の実像は、従来イメージされてきたものとは大きく異なることが明らかになっている。百姓一揆は「竹槍蓆旗(ちくそうせっき)」、つまり竹やりを持ち、ムシロ旗を掲げて代官所や庄屋を襲撃

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 フランスで、増税をきっかけに起きたデモを見て、「さすが革命の国」などといった感想がちらほら聞かれる。しかし、フランス革命は民衆が王政を打倒する目的で起きたわけではない。むしろ、財政をめぐって王と貴族が対立したことがその発端となった。財政の

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師走、金曜夜の街
2018年12月14日22:36

 近所が空き家と駐車場だらけになったため、昔はそれぞれの家々から食事の匂いや家族の会話、テレビの音などが漏れていたのに、そういうものがほとんどなくなってしまった。人が住んでいないのだから、往来もなくなる。特に夜はひっそりと静まり返っていて、

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寒さとインフルエンザ
2018年12月13日23:34

 インフルエンザの流行に最も敏感なのは、やはり幼児や児童たちの集まる保育園、幼稚園、小学校などである。郷里では、暖かい日が続いていたせいか、まだ大きな影響が出ているところは少ないようだけれど、どうやら県の西部で、少しずつ広がり始めているとい

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物語と独創性について
2018年12月12日19:28

 森見登美彦『熱帯』(文藝春秋、2018年)を読み終えた。ここではあまり文芸作品の感想は書かないけれど、500ページに及ぶ大著だったので、とりあえず記しておく。 森見作品は、読者を現実世界から少しずつ物語のなかへ誘う不思議な魅力を持っている。今作

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駐車場の町
2018年12月11日16:57

 実家の周辺で、いま過疎化が急激に進んでいる。といっても、村落の話ではない。昔からの住宅地である。 根本的なところとしては、高齢化があり、世帯が分離してしまっているので、引き継ぐ人がいないことだ。建て替えして十数年くらいでも、空き家になって

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熊手を買う男
2018年12月10日19:21

 熊手というと、いまでは本物よりも毎年11月の酉の市で売られている商売繁盛の縁起熊手のほうがなじみ深くなっているかもしれない。実際は、落ち葉などをかき集めるための道具で、そこから縁起熊手は「幸運をかき集める」ものとして生まれた。 イチョウが三

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冷え込みと体調管理
2018年12月09日21:08

 最高気温は今日も8.4℃で、これも昼前に出たものだから、それからは逆に冷えていったことになる。数日前に20℃近くあったのがウソみたいだ。本当に、冬は突然やって来るし、こういう本格的な寒気が訪れると、たとえそれが緩んでもその前みたいな暖かさが戻

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 冬は突然やって来る。郷里の最高気温は8.6℃。それも午前10時過ぎに出た数字だから、昼間のほうが逆に気温が低かったことになる。冷たい北風がずっと吹いていて、陽射しはあっても、空には重たい綿雲が流れていってた。そこからも冬が来たことを実感した。

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冬の到来 紅葉と落ち葉
2018年12月07日22:38

 昼過ぎくらいまでは、それほど寒さを感じなかったけれど、それからは気温がぐんぐん下がり、日暮れとともに10℃を割り込んだ。北からの冷たい風が吹きつけてきて、体感温度はもっと低い。いよいよ、本格的な冬がやって来たなというのが実感である。 気温が

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 昨日も触れた、小川原正道『小泉信三』(中公新書、2018年)で私が最もひっかかったのは、やはり日中戦争や太平洋戦争における小泉信三の姿勢であった。この本で描かれているように、小泉は日本が中国や英米諸国と戦端を開いてのち、戦争支持に傾斜し、言論

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 小川原正道『小泉信三』(中公新書、2018年)を読む。小泉信三とは、経済学者であり、明治末期に慶應義塾の教員となり、大正期に教授、そして昭和初期には塾長を務めた。一般的には、東宮御教育常任参与として皇太子昭仁親王、すなわち今上天皇の教育責任者

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濃霧の朝
2018年12月04日12:25

 師走としては異例の暖かさになった今朝、郷里では数十メートル先すら見えない濃い霧が立ち込めていた。瀬戸内海沿岸は、北の中国山地、南の四国山地に挟まれて、盆地のような地形になっている。おまけに瀬戸内海は内海なので気温に対して海水温が高ければ、

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ステンドグラスのこと
2018年12月03日19:54

 今年はロードバイクに乗る機会がほとんどなかった。メンテナンスにかなり費用がかかるので、敬遠してしまったためだ。そろそろ本格的な冬になるので、ペダルを漕ぐのも億劫になる。来春あたり、遠出ができればと思う。 また、ステンドグラスも停滞気味だっ

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小春日和、真冬の足音
2018年12月02日20:25

 師走とは思えない暖かな日曜。最高気温も16℃で、これは11月中旬並。ただ、季節の変わり目というのはゆっくりと気温が変化するのではなく、空気の入れ替わりで劇的に変わるものである。特に寒気の南下は、小春日和の続く穏やかさから、冷たい北風に身を縮こ

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