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日記一覧

高室弓生『神々の物語』
2019年10月27日14:42

 高室弓生『劇画古事記 神々の物語』(バジリコ、2006年)を読了。戸部民夫のシナリオによる『古事記』のコミカライズ。天之御中主神を語り手とし、神代のところが物語られる。原典では名前だけしか出てこない神も、しっかりデザインされている。 個人的に

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 柿谷均『ニコメディアの館』(デザインエッグ、2019年)を読了。ディオクレティアヌスとコンスタンティヌスの治世を題材とした歴史小説。著者は多神教の古代から一神教の中世へと西洋が転換した古代末期に関心を持ち、キリスト教を迫害したディオクレティア

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安藤礼二『列島祝祭論』
2019年10月23日09:53

 安藤礼二『列島祝祭論』(作品社、2019年)を読了。列島で最古の聖典である『日本書紀』は神道と仏教を一つに習合する道教的な「王」として天皇を位置付け、それを理論的に整えた天武天皇は、自らの身で実践もした。役小角を始祖とする修験道は、そのような

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大木毅『独ソ戦』
2019年10月17日17:49

 大木毅『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書、2019年)を読了。ドイツが遂行しようとした対ソ戦は、人種主義に基づく社会秩序の改変と収奪による植民地帝国の建設を目指す世界観戦争で、かつ「敵」と定められた者の生命を組織的に奪っていく絶滅戦争でもあ

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 山岸凉子『ヤマトタケル』(潮出版社、2011年)を読了。ヤマトタケルを主人公としたマンガで、梅原猛が原作を提供している。大筋に沿って神話をコミカライズしているが、現在の価値観から見て違和感がないよう改変されている。 例えばヤマトタケルはシルベ

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映画の『ジョーカー』
2019年10月08日17:34

 映画の『ジョーカー』を鑑賞。アメコミの悪役ジョーカーが何故にそうなったのかを描く。原典はアメコミであるけれども社会問題を扱った犯罪物という感じで、夢のスーパーヒーローとかは出てこない。 全体の雰囲気は重苦しく、後のジョーカーであるアーサー

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 ゆうきまさみ『ヤマトタケルの冒険』(みのり書房、1984年)を読了。ヤマトタケルの伝説がコミカルかつシニカルに漫画化されている。ギャグも交えながら性と暴力が淡々と描かれている。 ヤマトタケルは妹と近親相姦の関係にあり、それが元で兄を殺して政争

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 手塚治虫『火の鳥 3 ヤマト・異形編』(角川文庫、1992年)を読了。「火の鳥」を狂言回しにしたシリーズ漫画の一作で、本書には「ヤマト編」と「異形編」が収録されている。「ヤマト編」はヤマトタケルと垂仁天皇の神話が、「異形編」は八百比丘尼の伝説

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 手塚治虫『火の鳥 黎明編』(角川文庫、1992年)を読了。その生き血を飲めば、不死になれる「火の鳥」を巡るシリーズ漫画の第1作で、邪馬台国と日本神話が題材となっている。 邪馬台国の女王である卑弥呼にはアマテラスが重ね合わされ、スサノオやサルタ

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