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日記一覧

伊藤聡『日本像の起源』
2022年01月31日18:47

 伊藤聡『日本像の起源 つくられる<日本的なるもの>』(角川選書、2021年)を読了。近代以前の日本文化は古代から近世に至るまで中国大陸や韓半島から外来した文化の摂取や模倣、改変、応用を通じて形成されてきた。それだからこそ、日本人は外来的な要素

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 さいとう高志『新釈北欧神話 創世篇 第一巻』(オンデマンドペーパーバック、2020年)を読了。北欧神話をコミカライズしたマンガ。原典を大胆にアレンジしているが、改変はしっかり考えて行われている。 オーディンは「霜の巨人族」の集落で虐待されてい

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 フレデリック・ルノワール『仏教と西洋の出会い』(今枝由郎・富樫瓔子訳、トランスビュー、2010年)を読了。ルネサンスと近代社会が到来して以来、西洋は幻想と情動的な身体、人間精神の非合理的な部分を抑圧した。西洋人は外面的な宇宙や現象の探求を優先

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 ダニエル・キブルスミス『ロキ 地球に落ちて来た神』(ジャン・バザルデュア画、吉川悠訳、小学館集英社プロダクション、2021年)を読了。北欧神話が題材のアメコミである「マイティ・ソー」シリーズで、本書はロキが主役に抜擢されている。 ロキは多くの

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 ライラ・スタージェス『マイティ・ソー シーズンワン』(ペペ・ララス画、光岡三ツ子訳、小学館集英社プロダクション、2017年)を読了。「シーズンワン」シリーズはアメコミの会社マーベルにおける人気キャラクターたちのオリジンを新たに描き起こした読み

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 鹿角崇彦「江戸・明治 日本神話絵巻」を読了。仏教の影響を受けるまで日本には神を人の姿で表現する文化がなかった。仏像崇拝に触発されて神像造りが盛んになるのは平安期だが、神像は飽く迄も信仰の対象として神社の奥に秘められた。 やがて神々の姿は神

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 『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』(荒川献他編訳、岩波文庫、2022年)を読了。一九四五年十二月、エジプト南部のナイル河畔にある町ナグ・ハマディ付近でナグ・ハマディ文書が発見された。文書はコプト語で記されているが、その殆ど全てがギリシア語

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 ロジェ=ポル・ドロワ『虚無の信仰 西欧はなぜ仏教を怖れたか』(島田裕巳・田桐正彦訳、トランスビュー、2002年)を読了。十九世紀の西欧で仏教についての研究が進展すると、西欧の人々は仏教を虚無の信仰として怖れるようになった。仏教は個人の死に究極

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 フィリップ・C・アーモンド『英国の仏教発見』(奥山倫明訳、法蔵館文庫、2021年)を読了。仏教は一九世紀に西洋でも言説の対象となったが、それは文献により構成されていた。ヴィクトリア期の英国人たちも文献だけで構成されて解釈された仏教を基準とし、

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