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日記一覧

 スーザン・P・マターン『ガレノス 西洋医学を支配したローマ帝国の医師』(澤井直訳、白水社、2017年)を読了。ローマ帝国の医師ガレノスは独りよがりかつ尊大で、親分風を吹かして大言壮語を吐いた。所有者として奴隷に謝ることはなく、定義にもよるが女

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 小川忠『テロと救済の原理主義』(新潮選書、2007年)を読了。イラク戦争などでキリスト教やイスラム教は一神教であるがゆえに非寛容であると認識が広く日本国内で浸透している。対して多神教や仏教が寛容であるという見方も、少なからぬ賛同者を獲得するに

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 池内恵『現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義』(講談社現代新書、2002年)を読了。一九六七年の第三次中東戦争に敗北したエジプトのナセル大統領は威厳が失墜し、彼の「アラブ統一」や「民族社会主義」の下に一体性を感じることが出来た時代は終

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 イヴリン・ウォー『ヘレナ』(岡本浜江訳、文遊社、2013年)を読了。著者は超越的なものを追求しなくなった現代の空虚さを描いたイギリス人の作家で、カトリックに改宗して本作などを執筆した。この作品はキリスト教を公認したローマ皇帝コンスタンティヌス

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 添谷育志『背教者の肖像 ローマ皇帝ユリアヌスをめぐる言説の探究』(ナカニシヤ出版、2017年)を読了。「背教者」ユリアヌスを巡る欧米と日本の言説を探究するエッセイ。文学におけるユリアヌスの肖像を主に取り上げ、史実よりも彼が後世の人間にどのよう

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 アガサ・クリスティー『アクナーテン』(中村妙子訳、早川書房、2004年)を読了。古代エジプトの王アメンヘテプ四世ことアクナーテンを描いた戯曲。アクナーテンは太陽神アテンを唯一神とする宗教改革を断行するが、アメン神の神官団によってその企てを崩壊

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 映画の『ベン・ハー』(ベクマンベトフ監督)を視聴。舞台はローマ帝国に支配されたユダヤ属州で、支配者と現地民の仲は悪く、過激派の抵抗運動も起きており、ユダヤ教徒の富豪であるベン家は両者の和解を願ってローマ人の孤児メッサラを養子とした。メッサ

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