mixiユーザー(id:21379232)

2019年10月14日19:03

28 view

山岸凉子『ヤマトタケル』

 山岸凉子『ヤマトタケル』(潮出版社、2011年)を読了。ヤマトタケルを主人公としたマンガで、梅原猛が原作を提供している。大筋に沿って神話をコミカライズしているが、現在の価値観から見て違和感がないよう改変されている。
 例えばヤマトタケルはシルベスター・スタローンを参考にしたマッチョマンなのだが、それ故に熊襲を討つ時の女装は従者の少年タケヒコがしたことになっている。他にもヤマトタケルが兄を殺めたのにも神話とは別の説明がなされている。ヤマトタケルは残酷な人間とはされず、戦闘で策を巡らすけれども無垢かつ無欲な英雄として描かれる。
 しかし、皇室は骨肉相食んできたとされ、ヤマトタケルの周囲にも陰謀が渦巻いている。和人そのものも先住民たる熊襲や蝦夷にとって侵略者であるとされる。個人的にはヤマトタケルを巡り、タケヒコが弟橘に嫉妬するのが面白かった。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する