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日記一覧

義江彰夫『神仏習合』
2017年06月30日12:07

 義江彰夫『神仏習合』(岩波新書、1996年)を読了。仏教が伝来した時、日本は土地所有や社会結合の単位が共同体で、そのようなところでは個人の独立やその裏返しである私有・支配を罪とする意識、この世と次元を異にする来世の観念も生まれなかった。しかし

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 『古事記』(池澤夏樹訳、河出書房新社、2014年)を読了。真宗の僧侶をやっているから、仏典である浄土三部経や法華経は読んでいたが、神典には一度も目を通していなかった。近代以前は神仏習合の時代で、親鸞聖人らも夢告や権現などそうしたコスモロジーの

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 ピエール・ブリアン『アレクサンドロス大王』(田村孝訳、文庫クセジュ、2003年)を読了。マケドニア王フィリッポス二世はギリシア人の将軍としてペルシア戦争の復讐を遂げるという口実でギリシア諸都市を従属させた。そして、マケドニア人の王としてマケド

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 アメコミの『スーパーマン:レッド・サン』(マーク・ミラー作、デイブ・ジョンソン/キリアン・プランケット画、高木亮訳、小学館集英社プロダクション、2012年)を読了。ヒーローを通常の設定と異なる時間と場所に置く物語であるエルスワールド物。アメリ

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 レナル・ソレル『オルフェウス教』(脇本由佳訳、文庫クセジュ、2003年)を読了。古代ギリシアに発達したオルフェウス教は、人間の魂を神と同じく不死であると主張する。肉体が死ねば魂は別の肉体に入って生まれ変わり、生まれ変わりを続けることは、苦しみ

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 ロバート・ロス『洋服を着る近代 帝国の思惑と民族の選択』(平田雅博訳、法政大学出版局、2016年)を読了。エリートであれ民衆であれ如何にして世界の人々が同じような衣服を着るに至ったのか。一言で言えばグローバリゼーションであると回答できる。 こ

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 大江しんいちろう『英雄! シーザーさん』(秋田書店、2017年)を読了。古代ローマの英雄シーザーが占い師スプリンナから舎弟ブルータスに殺されると予言され、あたふたするというギャグ漫画。シーザーおよびブルータスとスプリンナの他、ポンペイウス、ク

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 法藏館が真宗大谷派の機関誌である『真宗』7月号の広告に小谷信千代先生の『親鸞の還相回向論』の掲載を控えてほしいと東本願寺出版部より依頼されたそうだ。東本願寺出版部も小谷先生が問題を提起した意義は理解し、内容の是非を問う立場にはないとするが

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 ウラジーミル・ソローキン『親衛隊士の日』(松下隆志訳、河出書房新社、2013年)を読了。帝政が復活した近未来のロシアを描くディストピア小説。語り手はイワン雷帝の時代に倣った親衛隊の隊士で、彼が仲間たちと共に恐怖政治の任務を遂行する。 親衛隊士

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