山口貴由『衛府の七忍』(秋田書店、2017年〜)を読了。大阪城が落城して間もない頃が舞台の伝奇マンガ。「まつろわぬ民」が怨身忍者となり、徳川幕府に牙を剥く。 徳川家康は政権の安定を図り、反乱の芽を容赦なく根絶やしにする。そして、その体制はマイ
馬場紀寿『初期仏教 ブッダの思想をたどる』(岩波新書、2018年)を読了。紀元前5世紀、史上空前規模の帝国であるアケメネス朝ペルシアがイラン高原や中東、北アフリカ一帯を支配していた。アケメネス朝ペルシアの両側にはこの巨大な帝国とは比較にならな
カルパナ・サーヘニー『ロシアのオリエンタリズム 民族迫害の思想と歴史』(袴田茂樹監修、松井秀和訳、柏書房、2000年)を読了。ロシアは言語と文化のルーツを多く東方や南方の隣人に負っていた。しかし、ロシア帝国が国家・社会の改革を進めるため、ヨー
楓屋ナギ『神代幻夢譚』(文芸社、2015年)を読了。『古事記』の再構成した小説。須佐之男を主人公としており、彼が生まれてから根の堅洲国に住むまでを扱っている。 登場する神々は様々に肉付けされており、モブにも名前が与えられ、『日本書紀』の菊理媛
中田考『俺の妹がカリフなわけがない!』(晶文社、2020年)を読了。カリフをライトノベルとしたカリフ・ライトノベル。現代日本の学園が舞台となっており、語り手である天馬垂葉の妹たる愛紗が生徒会長に立候補し、世界制覇を公約に掲げ、会長職をカリフに