mixiユーザー(id:3912568)

2026年10月10日20:53

43 view

「青髭八人目の妻」エルンスト・ルビッチ〜ケンカし、嫌われようとするも・・・〜

エルンスト・ルビッチの『天使』(1937)の翌年の作品。「ルビッチならどうする?」と自身のオフィスに貼り紙をしていたルビッチを師と仰ぐビリー・ワイルダーが脚本に参加。原作は同名のブロードウェイ・ミュージカル作品で、パラマウント映画は1923年にもサイレント映画『Bluebeard's 8th Wife』を製作している。本作の主演はクローデット・コルベールとゲイリー・クーパー。

フランスの避暑地リヴィエラのデパートで、パジャマの上だけを買いたいと店員に迫るアメリカ人実業家マイケル・ブランドン(ゲイリー・クーパー)。そこに都合よく「パジャマの下だけ貰うわ」と現れたのが貧乏貴族の娘ニコル(クローデット・コルベール)。気の強い彼女に一目惚れしたブランドンは猛アタックの末、婚約にこぎつける。ところが結婚式当日、ブランドンになんと7回の結婚歴があると知りニコルは激怒。離婚の際には莫大な慰謝料をニコルに支払うことを結婚の条件として、二人はどうにか夫婦となる。

ニコルは結婚してもブランドンの相手をせず、彼を苦しめて離婚させて慰謝料をせしめようとしていた。ボクシング選手を雇って、出張中に家に引き入れて彼を怒せようとしたら、友人のアルベール(デビッド・ニーブン)が代わりに来てノックアウトされたり、いろいろハプニングがあるも、ブランドンはついに離婚を決意。ニコルの目的は達成した。しかし、別れてみるとブランドンを心から愛していることにニコルは気づく。神経衰弱にかかって療養所に入ったブランドン。ニコルに会うまいとして暴れる彼を、看護人たちが身動きできぬように拘束衣を着せ、そこへニコルは入って行く。そしてもがいて逃げようとするブランドンの耳に、ニコルは思いのたけの愛を囁く。金ですべて解決できると結婚しては慰謝料を払い、次々と妻を捨ててきた傲慢なプレイボーイのブランドンは、初めて思い通りにならぬニコルと出会い、離婚を決意するも、それが失いたくない女性となる。最後に拘束衣で怒り続けていたブランドンがニコルのキスと愛の言葉で陥落していくのが笑える。かくしてブランドンの妻もついに8人目で終ることになったのである。

冒頭のパジャマの上下のめぐるやり取り、ルイ14世の怪しげなバスタブ、ニコルがブランドンの嫌いなネギをこっそり食べてキスするシーンなども笑える。『或る夜の出来事』(1934)、『結婚五年目(パーム・ビーチ・ストーリー)』(1942)の女優のクローデット・コルベールがコメディエンヌぶりを発揮。浜辺でスーツ姿で寝そべって彼女を口説くゲイリー・クーパーのプレイボーイぶりも嫌味がなく軽くていい。シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』の本を読んで、その本の通りに実践して彼女にビンタするも、ビンタの仕返しをされて失敗するギャグもある。恋愛コメディは、結局ケンカする二人のやり取りが面白いのだ。嫌われようとケンカしながら相手が特別な存在になり、好きになっていく二人。ままならない恋こそコメディなのだ。


1938年製作/85分/アメリカ
原題または英題:Bluebeard's Eighth Wife

監督・製作:エルンスト・ルビッチ
脚色:チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー
原作:アルフレッド・サヴォア
英語翻訳:チャールトン・アンドリュース
撮影:レオ・トーバー
美術:ハンス・ドライアー、ロバート・アッシャー
音楽:ウェルナー・R・ハイマン、フレデリック・ホランダー
編集:ビリー・シャイ
キャスト:クローデット・コルベール、ゲイリー・クーパー、エドワード・エベレット・ホートン、デビッド・ニーブン、エリザベス・パターソン、ハーマン・ビング、ウォーレン・ハイマー、フランクリン・パングボーン、アルマン・コルテス、ロルフ・セダン、ローレンス・グラント、ライオネル・ペープ、タイラー・ブルック、トム・リケッツ、バーロウ・ボーランド
☆☆☆3
2 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年10月
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031