ミケランジェロ・アントニオーニ作品は昔から大好きなのだ。その荒涼とした風景とシンクロするような空っぽな人間たちの彷徨。ブルジョア階級の人々の無意味で喧騒的なパーティーが描かれつつ、その場に馴染めきれない登場人物たち。海、川、砂丘、工場街や団
これはもう、お見事というしかない。リチャード・フライシャーの傑作である。バラバラに見えた街の様々な登場人物が、ある土曜日の銀行強盗事件ですべて繋がってくる一種の群像劇だ。わずか3日ぐらいの話である。最初はいろいろな人が出てくるので、その関係
ロバート・アルドリッチの1954年製作の長編二作目。なんだか身も蓋もない日本語タイトルだ。日本未公開作品だったが、2025年「アメリカン・ギャング・ノワール映画祭」で上映されたようだ。シンガポールを舞台にしたフィィルム・ノワール。私立探偵が、水素爆
映画を見始めて、「あれ?見たことがあるストーリーだぞ」と気づいた。だけと前に見たのはカラーだった。8人の教授たちの研究と美女との出会い。そう、ジャズ誕生の音楽史を編纂している教授たちと美女を描いた『ヒット・パレード』(1947)だ。こちらは、ダニ
エルンスト・ルビッチの監督作品にはハズレがないような気もするが、この1932年製作の『極楽特急』もまぎれもない傑作ロマンティック・コメディである。なんで邦題に「特急」がついているかは不明。列車も出てこないのに。思えばハワード・ホークスの『特急二
マックス・オフュルス監督の『快楽』(1952)が「作者自身による語り手」で進行していたのと同じように、その2年前に作られた本作『輪舞』は、狂言回しの男アントン・ウォルブルックが登場し、物語を進行させていく。1900年のウィーン、回転木馬のセットを歩き
フランス映画らしい優雅で欲望に忠実で人間喜劇的に人生を俯瞰的にみる視点が面白い。ギイ・ド・モーパッサンの短篇三つ『仮面』『メゾン・テリエ』『モデル』を映画化したオムニバス作品で、1952年のマックス・オフュルス監督の傑作。マックス・オフュルスは
痛快な茶番劇であり、怪作である。あなたは、この茶番劇を笑えるか?予告編を見て面白そうだったので、劇場にて鑑賞。主演はトム・クルーズ。トム・クルーズの印象的な作品で、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』(1999)がある。トム・クルー
エルンスト・ルビッチの『天使』(1937)の翌年の作品。「ルビッチならどうする?」と自身のオフィスに貼り紙をしていたルビッチを師と仰ぐビリー・ワイルダーが脚本に参加。原作は同名のブロードウェイ・ミュージカル作品で、パラマウント映画は1923年にもサ
写真引用
Universal Studios. All Rights Reserved.スティーブン・スピルバーグの話題の新作である。映画への愛を描いた自伝的な作品『フェイブルマンズ』(2022)以来4年ぶりとなる。本作は明らかにスピルバーグの代名詞とも言える宇宙人とのコンタク
ベルリン生まれのエルンスト・ルビッチは、ドイツで映画を撮り始めて国際的な名声を手に入れ、1922年にアメリカへ渡った。「ルビッチ・タッチ」と言われるルビッチ独特の映像スタイル、軽快な男女の洗練されたコメディは高く評価された。1935年、ナチス・ドイ
サミュエル・フラー作品をもう1本続けて見た。朝鮮戦争を舞台にした戦争モノである。「この物語に終わりはない」と最後に字幕が出る。戦争そのもののニヒリズム、虚無的ともいえる戦場の厳しい現実が描かれている。英雄も勝利の達成感もなく、国のために戦う
先日観た深田晃司監督の『ナギダイアリー』が「見るー見られる」という関係を描いた映画だったが、本作は、物語を「書くこと」によって、物語の中に自分を対象化し、傷やトラウマ、失恋などの呪縛から抜け出し、一歩前へと踏み出す映画である。沖田修一の映画
1953年製作、サミュエル・フラーのフィルム・ノワールの傑作だ。面白い。第14回ヴェネツィア国際映画祭で銅獅子賞を受賞。サミュエル・フラーと言えば、ジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』(1965)に出演し、「映画とは何か?」との質問に「映画とは
傑作『淵に立つ』(2016)がやっぱり忘れられない深田晃司監督。『よこがお』(2018)や『歓待』(2010)などの不穏な映画や、『さようなら』(2015)、『ほとりの朔子』(2013)、『LOVE LIFE』(2022)などいろいろと考えさせられる作品もあるし、『海を駆ける