『トリとロキタ』(2022)以来のダルデンヌ兄弟作品だ。ダルデンヌ兄弟の作品はいつも過酷な現実を生々しく描いているので重い。それでもいつも彼らの映画から目が離せない。だから公開されたら必ず観てしまうのだ。『その手に触れるまで』(2019)、『午後8
Netflixにて視聴。ジョージ・クルーニー演じる有名な映画俳優ジェイ・ケリーが、自らの俳優人生を振り返りながら、娘たちとの関係、献身的なマネージャーのロン(アダム・サンドラー)との確執などを描いた作品。老女優が自らの映画人生の妄執に囚われる映画
ビリー・ワイルダーらしいドタバタ・ロマンチック・コメディ。売れない作曲家が色男の歌手に自分の曲を売り込もうと、愛する妻を別の女性に演じさせ、一夜のベッドを交換する突拍子もない展開。トラブルとハプニング続きで離婚騒動まで起きるが、最後は曲も売
2025年公開映画で評判が良かった香港のアクション映画を劇場でやっていたので観に行った。札幌の映画館「サツゲキ」が閉館するにあたっての「クロージングセレクション」の1本だ。クロージング上映になると、劇場は多くの客で賑わっていた。いつもこれだけ入
大島渚の映画の中でも難解と言われている作品。家父長制度の頂点に君臨するのが佐藤慶。バケモノ的な権力を持ち、女たちを犯し孕ませ放題の性欲の持ち主である。『白昼の通り魔』の通り魔犯罪者の佐藤慶に家父長的な権力を持たせた感じだ。親族が集まる葬式と
サミュエル・フラー監督の映画をNHKで放送していたので録画して見た。東京・横浜など日本でロケされたハリウッド映画。エキゾチックな外国人好みの日本趣味のオンパレード。「ヤクザ(暴力団)、ゲイシャ(芸者)、フジヤマ(富士山)」。日本語の台詞が下
WBCを見るために1ヶ月NETFLIXに加入したので、2025年公開された最近の日本映画を見た。去年のベストテンにも入っていた評判が良かった作品だ。第2回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を、向井康介が脚本を書き、人気俳優の北村匠海が主演、
全編ピンボケで、たった61分で終わってしまうホン・サンスの実験作。いつも少人数のスタッフで製作するホン・サンス映画にあって、ひときわ少人数で実験的に作ったと思われる作品。ホン・サンスは撮影も兼ねている。夏の終わりの済州島を舞台に、自主映画を
昭和32年頃関西各地で起きた凶悪事件をもとにした武田泰淳の短編の映画化。大島渚1966年の作品。翌年1967年『日本春歌考』を監督している。佐藤慶が白昼の通り魔役。短髪とギョロリとした目で狂気に満ちた危険な男を演じている。その妻に進歩的な女性であり、
1948年から1949年にかけて新聞に連載された獅子文六の小説の映画化。渋谷実の松竹映画。たわいのない長閑なドタバタ人間模様。主役の佐野周二がハッキリしない主体性のないサラリーマン。宝塚歌劇団出身の淡島千景の映画デビュー作で、ハッキリした上昇志向の
小津安二郎、1934年の無声映画。小津安二郎はサイレント映画時代から戦後までの35年のキャリアの中で、54本の映画を監督した。そのうち現在フィルムが現存しない17本のサイレント映画がある。私はこの『母は恋はずや』で、見ることが出来る小津映画はすべて見
『クロード・シャブロル傑作選』の劇場公開。『肉屋』(1970)、『女鹿』(1968)に続いて観た3作目は『不貞の女』(1969)。日本未公開作品だ。この作品も素晴らしい。クロード・シャブロルという監督は、アルフレッド・ヒッチコック的な犯罪サスペンスをベ
『クロード・シャブロル傑作選』の劇場公開。『肉屋』に続いて観たのが『女鹿』。クロード・シャブロルの映画は大きな事件が次々と起こるわけではなく、どちらかというと単調でシンプルな話なのだけれど、なぜ不穏でこんんなに面白いのだろう。『肉屋』(1970
『ボーイ・ミーツ・ガール』、『汚れた血』、『ポンヌフの恋人』という「アレックス3部作」を完結させたレオス・カラックスが、8年もの沈黙後にようやく発表したのが本作『ポーラX』だ。未見だったので今回の4Kレストア版を劇場鑑賞。なんとも破滅的な映画だ
『クロード・シャブロル傑作選』として、日本初公開2作を含むサイコ・サスペンスの傑作3本を2026年一挙公開ということで、劇場に駆けつける。いずれも当時、クロード・シャブロル夫人だった官能的な女優ステファーヌ・オードランが主演している。「ヌーヴェル
笠智衆が弾けた酔っ払いぶりを軽やかに演じている。登場人物のほとんどが酔っ払いばかり。酔った人間たちのナンセンス・コメディかと思って見始めると、あにはからんや、後半はシニカルな社会風刺劇だった。終わり方もなかなかシビアで皮肉な感じ。笠智衆は牢
吉田喜重のオリジナル脚本を自ら監督した長編2作目。デビュー作『ろくでなし』と同じ年(1960)に製作された。この作品もテンポがあって面白い。ピストルをこめかみに当て自殺しようとする男の巨大なポスターがビルに掲げられる。自殺=死をも広告に利用しよ
1930年小津安二郎の無声映画。大学を卒業しても就職口がないという深刻な社会状況を背景に、学生生活をエンジョイしている落第生を描いたコメディ作品。現在、東京国立近代美術館フィルムセンターがフィルムを所蔵。試験地獄と戦っている学生たちは、カンニン
小津安二郎の1935年の無声映画。小津映画の登場人物は後ろ姿が基本ベースだ。電信柱が並んだ一本道を親父と二人の息子の3人がトボトボと歩く後ろ姿が映し出される。その最初のショットから、まさに小津映画なのだ。前から顔を捉えたショットをいくつか挟んだ
松竹の人情喜劇の代表的な渋谷実監督による戦後の混乱期から再出発した町医者を中心に繰り広げられるドタバタ人間模様。渋谷実監督は、成瀬巳喜男、五所平之助両監督につき、小津安二郎監督の『淑女は何を忘れたか』(1937)の助監督を務めた後、『奥様に知ら
吉田喜重の長編デビュー作。以前にも見たが、結構面白いのだ。脚本を書いた吉田喜重のテンポのいい台詞のセンスが光る。吉田監督は昭和8年生れ、東大仏文科を卒業後松竹に入社、主として木下恵介監督の助監督を勤めた。撮影は成島東一郎。この映画の2年後には
加藤泰の映画はローアングルも有名だが、アップも多い。カメラ手前にアップの安藤昇の頬に傷のある横顔が映り、画面奥にピントがボヤけた看護師の香山美子が話しかける画面から始まる。まさに履歴書である男の顔から始まるのだ。安藤昇は特攻隊に配属されて除
黒澤明の未見だった映画『白痴』を見る。「原作に忠実であろうとするあまり、当初前後編4時間25分の長編として完成したが、難色を示した松竹側と黒澤監督が対立。切るならフィルムを縦に切ってしまえと、激怒した逸話は有名。結局現在観ることのできるのは大
『ウィンチェスター銃'73』(1950)と同じく、アーロン・ローゼンバーグが製作、ボーデン・チェイスが脚本を書き、アンソニー・マンが監督、ジェームズ・スチュアートが主演する色彩西部劇1951年作品。かつてワルだった男は変われるか?ワルはワルのままか?
ポルトガルの巨匠、106歳で亡くなったマノネル・ド・オリヴェイラ監督(1908−2015)の長編デビュー作が4Kレストア版で劇場公開されたので鑑賞。子どもたちがポルトガルの路地を走り回る映画だった。フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』(19
小津安二郎のトーキー作品で唯一見ていなかったトーキー第1作の『一人息子』を見る。小津安二郎が「ゼームス・槇」名義で書き下ろした原作を自ら映画化。『東京物語』の息子の親孝行版とでもいえるだろうか。母親が信州の田舎から東京に出てきて、久しぶりに
成瀬巳喜男の映画はやはり凄い。見せ場のシーンの演出の見事さは、多くのプロが今でも参考になる役者の動かしの演出であり、カメラワークだ。そして雨、雷、ロウソクの光、そして花火の演出とどれもが素晴らしい。人間を追いつめていく心理描写が深いのだ。本
清水宏監督のトーキー第1作。北海道の炭鉱町が舞台で、北海道ロケを敢行。馬そりなどの雪国の生活が垣間見られる。音の状態があまり良くないが、トーキー第1作で、台詞まわしもあまり上手くない。台詞を言うアフレコの技術もそれほどまだ熟練したものではなか
成瀬巳喜男の映画が4本、U-NEXTのラインナップに加わったのでさっそく見た。相変わらず男と女の愛のもつれが描かれている。建築学の大学講師の森雅之とその愛人、銀座のバーのママに高峰秀子、妻が淡島千景。その正妻と愛人との壮絶なバトルと修羅場が描かれ
『最前線物語』(1980)のサミュエル・フラー監督の海洋アクション劇。アメリカB級映画を多く作った監督だが、ヨーロッパなどで高く評価され、再評価された。ゴダールの『気狂いピエロ』(1965)やヴィム・ヴェンダースの『ことの次第』(1981)、アキ・カウ