ジーン・ケリー振付・主演を務めた有名な傑作ミュージカル。アカデミー賞の作品賞を含めた6部門受賞。映画で使われる音楽はすべてジョージ・ガーシュウィンの作曲、その兄アイラ・ガーシュウィンの作詞によるもの。ジョージ・ガーシュインが1928年作曲・発表した有名な交響詩「パリのアメリカ人」をベースにプロットを組み立て全体を構成。
画家としての成功を夢見てアメリカからパリへやって来た青年ジェリー(ジーン・ケリー)には、同じ界隈に住むピアニストのアダム(オスカー・レヴァント)、すでに有名になった歌手のアンリ(ジョルジュ・ゲタリ)らの友人たちがいた。まずアンリが幼い頃からの知り合いで恋をしているリズ(レスリー・キャロン)のことをアダムに語る。リズのいろんなタイプのダンスシーンが紹介される。画家を目指しているジェリーは、お金持ちの女性ミロ(ニナ・フォック)と知り合い、彼のパトロンになってくれることになるが、一緒に行ったナイトクラブで、ある女性に一目惚れをする。それがリズだった。ジェリーはリズを強引に誘い、次第に二人は恋仲になっていくが、リズには何か秘密がありそう。婚約を決めたアンリの相手がリズであることを知ったアダム。ジェリーのリズへの思いを知っているだけに、複雑な顔をするのが面白い。そのアンリの助言でリズに愛の告白をしたジェリーだったが、リズにはすでに結婚を決めた相手がいると告げられる。その人はレジスタンスの両親を持つ自分を幼い頃に命がけで守ってくた恩人なのだという。それがアンリだというのだ。ジェリーもまた、絵の援助をしてくれる女性ミロのとこをリズに告げ、二人はもう会わないと言って別れる。美術学校のパーティーにミロを誘って行くジェリー。そこにリズとアンリも来ていた。それぞれが別のパートナーと踊っているのを見る二人。どうにもならない二人の思いから、バルコニーで抱き合うジェリーとリズ。その様子を陰で見ていたアンリは、一度はリズを車で連れ出すも、最後にリズはジェリーのところに戻って来るのだ。愛する二人が結ばれてのハッピーエンドだ。
ピアニストのオスカー・レヴァントのピアノ演奏がまず本物で凄い。彼の演奏とジーン・ケリーの息の合ったダンスというのが見応えがある。さらにラストのジェリーの妄想における華やかなダンスシーンの連続はこの映画の最大の見せ場だ。多くのダンサーたちがカラフルな衣装で次々と登場し、印象派の画家たち、デュフィ、ルオー、ロートレックらの画風を取り入れた美術セットをバックに踊り続ける。バレエ出身のレスリー・キャロンとタップダンスのジーン・ケリーの融合も見事だ。まさにミュージカルの祭典であり、舞台の華麗なショーのようでもある。
大晦日の美術学校のパーティーでは、参加者全員が白と黒の衣装で見事だったし、夜の川べりで二人が初めてダンスを踊ってキスをするレスリー・キャロンの白いスカートも美しかった。セットとしては階段を上手く使っていた。二人のデート場所である川べりにある階段、そしてラストの二人が再会して抱き合うのも階段だ。ミュージカルの華麗なダンスを存分に味わえる映画である。
1951年製作/113分/G/アメリカ
原題または英題:An American in Paris
配給:東京テアトル
監督:ヴィンセント・ミネリ
製作:アーサー・フリード
原作・脚本:アラン・ジェイ・ラーナー
撮影:アルフレッド・ギルクス
美術:セドリック・ギボンズ、プレストン・エイムズ
衣装:オーリー・ケリー
編集:アドリアン・フェイザン
音楽:ジョージ・ガーシュウィン
作詞:アイラ・ガーシュウィン
振付:ジーン・ケリー
キャスト:ジーン・ケリー、レスリー・キャロン、オスカー・レヴァント、ジョルジュ・ゲタリ、ニナ・フォック
写真引用

1951 A Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
☆☆☆☆4
ログインしてコメントを確認・投稿する