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2025年12月29日16:20

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「フリスコ・キッド」ロバート・アルドリッチ〜凸凹コンビ珍道中の西部劇〜

男同士の対決や活劇を多く描いてきたロバート・アルドリッチ監督のコメディ西部劇。ポーランドからユダヤ教布教のためにアメリカに渡ってきたユダヤ教宣教師のラビを演じるジーン・ワイルダーと強盗の流れ者ハリソン・フォードとの友情珍道中である。

最初は1850年のポーランドから始まる。もちろんスタジオセットだ。神学校で88人中87位だった劣等生ラビのアブラム(ジーン・ワイルダー)が他のラビたちの反対を押し切ってなぜか校長の独断でアメリカ行きが決まる。なぜだかよく分からない。この映画はわりとご都合主義的でいい加減なストーリーだ。サンフランシスコで集団生活をしている信者たちのもとに律法(教典)を届けて一緒に生活するのが彼の使命だ。英語も片言で、アメリカ到着後にサンフランシスコ行きの船にも乗りそびれたアブラムは、男3人組と馬で一緒に旅することになる。しかし、お人好しで世間知らずのアブラムは、男たちに騙されて所持金含めて身ぐるみ剥がされてしまう。その後、鉄道工事のアルバイトをするが、ドジばかり。なんとか馬を買って一人サンフランシスコを目指すが、野宿していて動物たちに最後の食料も奪われたアブラムは、川で必死に魚獲り。うまくいかずに悪戦苦闘していると、同じ列車に乗っていた強盗トミー(ハリソン・フォード)が銃で魚を撃って助けてくれる。その後意気投合した二人は、サンフランシスコまで旅をすることになる。

町に着くとすぐ強盗をするトミーと一緒にいたおかげで、アブラムも町の自警団に追われることに。安息日に乗り物に乗れないアブラムは、雪の中でも先を急ぎ凍死寸前になる。さらに先住民にも追われるし、妙な食べ物で意識を失うし、珍トラブルが続出。トミーが強盗した金は山分けされたが、アブラムは自分の分け前を銀行に送り返す馬鹿正直者。ユダヤ教の教えを守り、追われているのに、安息日に馬は乗らない頑なさ。トミーは呆れつつも、なぜか気になって一緒に旅をする。トミーがなぜここまで付き合うのかもご都合主義的でゆるい感じ。ある町で最初に身ぐるみ剥がされた強盗3人組に再会したアブラムは、一人で金を取り戻そうとするが、コテンパンに叩きのめされる。そのピンチを喧嘩別れしたトミーが再び救う。何度も危機を乗り越え、二人の間に友情が生まれ、初めて友達ができたと喜ぶトミー。旅ももうすぐ終わり。二人は海辺で下着姿になりながらふざけ合っていると、再び強盗3人組が現われ襲われる。トミーが殺されそうになるのを、アブラハムはやむなく銃を拾って男を撃ち殺す。友を助けるためとはいえ、人殺しの罪を背負い、サンフランシスコに着いて一度はラビであることを諦めたアブラムだったが、町の人々に歓迎される。ラビとして婚約者にも受け入れられ、彼女と踊っていたところに再び生き残った強盗の一人が決闘を申し込む。トミーの助けもあって、銃での決闘を回避したアブラムは、強盗を町の外に追い出してすべて解決のメデタシメデタシで終わる。

この作品は、ロバート・アルドリッチ晩年1979年の作品。2年後に遺作『カリフォルニア・ドールズ』(1981)は、女子プロレスラー2人とマネージャーのピーター・フォークの3人組の地方巡業ドサ回りの道中ものだ。これがなかなかの傑作なのだ。最後に旅と人間をじっくりとロード・ムービーで描いたアルドリッチ。いい加減なストーリー展開ながら、目を見開きながら悪戦苦闘するお人好しのドジで不器用なジーン・ワイルダーと、起用で世渡りは上手だが孤独なヘンリー・フォンダの正反対の凸凹コンビの男二人をコメディとして描いている。旅を人生のように描いた本作は、次の『カリフォルニア・ドールズ』につながったのだろう。


1979年製作/119分/アメリカ
原題または英題:The Frisco Kid

監督:ロバート・アルドリッチ
製作:メイス・ニューフェルド
脚本:マイケル・エライアス、フランク・ショウ
音楽:フランク・デ・ヴォール
キャスト:ジーン・ワイルダー、ハリソン・フォード、ラモン・ピエリ
☆☆☆3
写真引用コピーライト Warner Bros. Entertainment Inc.
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