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2025年12月14日22:24

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「学生ロマンス 若き日」小津安二郎〜男二人の友情と恋の鞘当て〜

現存する小津作品の中では最も古い作品のサイレント映画。104分の男の友情コメディだ。基本的には『和製喧嘩友達』(1929)と同じ図式。親友同士である男二人の間で、一人の女性をめぐって恋の鞘当てがあり、お互いが負けじと張り合うが、結局は意中の女性は別の男性とくっついてしまい、親友はともにフラれ、寂しい二人の仲は深まるというお話。スキー場が主な舞台となっており、撮影は大変だったことだろう。スキー場での滑って転んでのドタバタ・コメディが展開される。伏見晁のオリジナルシナリオを小津が演出用に潤色した。

調子のいい軟派学生の結城一朗は、自分が住んでいる部屋に「二階 かし間」と貼り紙を貼って、美しい女性(シャンな女性)が来るまで待ち続ける。松井潤子が部屋を借りたいとやって来たところで、慌てて「明日引っ越します」と言って、その女性と近づきになる。友達の真面目そうな学生・斎藤達雄の部屋に転がり込み、一緒に住み始め、度々、松井潤子の部屋に上がり込んで話をする厚かましさ。斎藤達雄と松井潤子はもともと友達同士で、靴下を編んでもらったりする仲だった。ところがその手編みの靴下をちャっかり結城一朗がもらってしまい、松井潤子が赤倉にスキーに行く予定だと聞いて、期末試験終わりに結城一朗と斎藤達雄もスキーに行くことにする。スキー場で、二人は松井潤子と再会し、スキーが上手くない斎藤達雄はことどとく結城一朗に出し抜かれる。スキーが上手い結城一朗は、斎藤達雄のスキー板を滑らせて拾いに行かせる隙に、彼が淹れたコーヒーを松井潤子と飲んで盛り上がる。ところが一緒に来ていたスキー部の主将と松井潤子はもともとスキー場でお見合いをする予定だった。すっかり蚊帳の外に追いやられた二人は、寂しく列車で帰っていくのだった。帰りの列車で学校の先生と会い、試験の悪い結果を聞かされ、部屋に戻って塞ぎ込む二人。結城一朗が、「おれがもっとシャンなのを見つけてやるよ」と言って、二人が住んでいる部屋にまた「二階 かし間」の貼り紙をするのだった。

二人が住む部屋の窓から外を見るシーンがある。そこから見える何本もの煙突や風向計を一緒に見る。細く高い煙が出ている煙突が小津映画ではよく映し出される。窓から男二人が首を出して、左や右を同時に向きながら煙突を見るシーンは、最後のほうでもう一度、斎藤達雄によって繰り返される。またスキー場でも、何本もの電信柱が出てくる。電信柱の数を数えて、宿までの距離を言い合うのだ。どれだけ細く高いものが好きなんだろうと思った。また手編みの靴下が映画では効果的に使われており、最後は列車からもらったミカンを入れて投げ捨てられるのだった。

アクションを反復させたり、大げさなドタバタ劇で右往左往する動きを見せたりすることで、サイレント映画でコメディを演出してきた小津安二郎。アメリカのサイレント映画から多くを学んだと言われている。戦後に多くの家族劇を撮ることになる小津安二郎だが、アクションの反復や動きの同調など、サイレント映画時代から培った動きの演出がずっと根底にあったと思われる。


1929年製作/104分/日本
配給:松竹

監督:小津安二郎
原作:伏見晁
脚本:伏見晁、小津安二郎
撮影:茂原英雄
キャスト:結城一朗、斎藤達雄、松井潤子、日守新一
写真引用@1929松竹株式会社
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