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2025年12月11日17:05

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「和製喧嘩友達」小津安二郎〜列車と車の別れのシーンの平行移動撮影〜

1999年に9.5mm版が発掘され、2003年にフィルムセンター・松竹の共同で前述のフィルムにデジタル復元を施し、画面上の傷を極力消去した新しい版を作成した。77分の作品だが、14分のものしか見られない。モノクロ、スタンダード、サイレント映画。リチャード・ウォレスが1927年(昭和2年)に発表した喜劇映画『喧嘩友達』を下敷きに、「コンビ喜劇を巧みに和製化」したもの。

小津安二郎の映画は、男同士の友情を描いたものが多い。この作品も留吉(渡辺篤)と芳造(吉谷久雄)は、親しい仕事仲間のトラック運転手であり、貧しいがゆえに一緒に暮らしている。卵を一つ割ってしまっても、喧嘩しながら一つの目玉焼きを二人で分け合って食べる仲。あるとき、トラックで一人の女性を危うく轢きそうになる。トラックの正面の移動目線の映像が挿入される。倒れた女性を二人で助け起こし、トラックで家まで送ろうとするが、家がないのだという。それでその娘・お美津(浪花友子)は二人と一緒の家で暮らすようになる。喧嘩ばかりして張り合う二人は、お美津をめぐって恋の鞘当てが始まる。しかし、お美津は、近くに住む学生の岡村(結城一朗)と恋仲となり、二人は新たな門出を迎え、二人の元から旅立っていくのであった。

最後は恋人同士が乗る列車と、車で見送る二人の列車と車の移動撮影が見事だ。車窓から走る車に移動ショット。車に気づいて列車の窓から手を振る恋人たち。列車の車窓から走る車。車から手を振る二人。列車の窓から手を振るショットを列車の後ろ外から撮影するショット。田んぼの中を走る車。踏切付近から列車と車が並行して走って来る映像を一つの画角に納めるショット。踏切を通り過ぎる列車を止まって見送る車。車から体を乗り出して手を振る二人。別れのシーンで列車と車の平行移動ショットをこんなに早くから試みている小津安二郎、茂原英雄カメラマンは凄いなと思う。同じことをヴィム・ヴェンダースが45年後に『さすらい』(1976)のラストシーンでやっている。


製作会社 松竹蒲田撮影所
配給 松竹キネマ
公開 1929年7月5日
(ポルデノーネ無声映画祭)
上映時間:77分(現存14分)
製作国:日本

監督:小津安二郎
原作 / 脚本:野田高梧
撮影:茂原英雄
キャスト:渡辺篤、吉谷久雄、高松栄子、大国一郎、浪花友子、結城一朗、若葉信子
写真引用@1929松竹株式会社
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