mixiユーザー(id:3912568)

2025年10月15日13:43

54 view

「壮烈第七騎兵隊」ラオール・ウォルシュ〜カスター将軍の人生と栄光〜

ラオール・ウォルシュは1915年の無声映画から1930年代〜50年代に特に活躍し、生涯160本ほどもの映画を撮ったアメリカの職人監督である。犯罪映画、西部劇、戦争映画、冒険映画、コメディや恋愛ものまで多彩なジャンルを手がけ、「犯罪映画の巨匠」とも呼ばれている。ドン・シーゲルやマーティン・スコセッシなどからも敬愛されているようだ。私は残念ながらほとんど見ていない。西部劇を2本ほど見た程度なので、彼の映画に関して語れるようなものはなにもない。

本作は実在したジョージ・アームストロング・カスター将軍の半生を描いた作品である。陸軍士官学校入学から南北戦争、そして先住民族たちとの戦い「リトルビッグホーンの戦い」における玉砕までを描いているが、史実とは異なる大幅な脚色があったと言われる。主演はエロール・フリン。

陸軍士官学校入学から南北戦争で活躍するまで、とてもテンポよく展開されていく。カスターと生涯の宿敵となるシャープ(アーサー・ケネディ)に騙されて新入生なのに司令官室に案内されてからかわれたエピソードから、馬術と剣術の成績は優秀だが規則違反を繰り返し、開校以来最低の成績で卒業するも、レストランで偶然隣り合わせた最高司令官スコット将軍に最後の一皿だったクリーム・オニオンを提供して、騎兵隊に取り立ててもらうエピソードなど、面白おかしくカーターが出世していく様子が描かれる。南北戦争が始まり北軍として出征し、上官のシャープからの撤退命令を無視して、上官を殴って進撃。南軍を撃破し、負傷しながらも勲章をもらう。士官学校時代に見初めた女性リビー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)との恋も、メイドの紅茶占いや父親と知らずに酒場で喧嘩、夜にメイドのフクロウの鳴き真似の合図で2階に忍び込んで逢い引きするなど、面白おかしく描かれていく。さらに軍の書類の手違いで、少尉からいきなり将軍に昇進してしまうなど嘘みたいな展開で、勝利を収めて英雄になって故郷に凱旋。めでたくリビーと結婚する。

南北戦争終結後、カスターは除隊してリビーの家で暮らしていたが、張り合いのない日々の中で酒浸りになり、リビーは夫を元気にするためにスコットに現役復帰を願い出る。第7騎兵隊指揮官になったカスターは、スー族のクレイジー・ホースとの戦いが始まる。
カスターが規律が乱れ堕落していた第7騎兵隊をまとめ上げるのに、酒場を経営するシャープに酒場を閉店させ、「ガリオーエン」という戦いの歌で統率を図る。歌でバラバラだった隊員の心が一つになるという象徴的なエピソードで第7騎兵隊は強くなり、スー族との戦いにも勝利し、一方でスー族が聖地としているブラック・ヒルズでの居留を認めるという配慮を示し、アメリカ政府との平和条約を締結する。

そこへブラック・ヒルズに鉄道を通すという利権をめぐって、鉄道会社のシャープや政府の委員となっていた元上官のデイブらが、カスターを追い出すために企みをめぐらす。「ブラック・ヒルズに金鉱が見付かった」というデマを流し、条約を無視してネッド(アーサー・ケネディ)がブラックヒルズに侵入し、条約を反故にされたスー族ほかネイティブ・アメリカンたちは結集して戦いになる。次々と壊滅していく各部隊の騎兵隊。劣勢の第7騎兵隊はカスターを先頭に救援の来る前に全滅したが、カスターの遺書によってネッドの悪行は当局に暴かれ、カスターとネイティブ・アメリカンとの間に結ばれた条約は破棄されず守られることになった。

カスターとシャープとの間で、「金か栄光か」で酒場で言い争う場面がある。酒を何度も酌み交わしながら、「いつでも役に立つ金」に乾杯するシャープに対して、「栄光は死んでからも、ついてくるんだ」と言うカスター。カスターという人物の生涯を描きながら、目先の利益や金に囚われずに、栄光のために戦う男の誇りを描く。そんな男の誇りを死んでからも守る妻、ラストで黒のドレスとともにオリヴィア・デ・ハヴィランドが毅然として登場し終わる。最後のネイティブ・インディアンとの戦いのもの凄い数の馬たちの疾走シーンは迫力がある。


1942年製作/アメリカ
原題または英題:They Died with their Boots on
配給:ワーナー・ブラザース日本支社

監督:ラオール・ウォルシュ
脚本:ウォーリー・クライン 、ーニアス・マッケンジー
製作:ハル・B・ウォリス、 ロバート・フェローズ
撮影:バート・グレノン
美術:John J. Hughes
音楽:マックス・スタイナー
編集ウィリアム・ホームス
キャスト:エロール・フリン、オリビア・デ・ハビランド、アーサー・ケネディ、チャーリー・グレイプウィン、ジーン・ロックハート、アンソニー・クイン、スタンリー・リッジス、ジョン・ライテル、ウォルター・ハンデン、シドニー・グリーンストリート、ジス・トゥーミイ、ハティ・マクダニエル
☆☆☆3
写真引用コピーライト ブレーントラスト
1 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年10月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031