mixiユーザー(id:3912568)

2025年06月11日12:48

84 view

2025年春ドラマについて

残念ながら春ドラマについて、コレ!といったドラマには出会えなかった。冬ドラマでよかった『御上先生』や『ホットスポット』のような大好きな作品は無かったということだ。わりとエグいというか極端な設定のドラマが多かったせいか、正直ついていけなかったところもある。「やり過ぎ」なのだ。見ていて疲れるだけ。あざとい物語展開が多く、展開のわからなさで視聴者を引っ張っていく仕掛けばかりで、人間が描けていない気がする。

ということでまずは春からスタートしたNHK朝ドラから
*『あんぱん』(NHK・中園ミホ) 
 
 中園ミホ脚本、出演陣も充実しており、今田美桜、北村匠海、河合優実、細田佳央太、江口のりこ、原菜乃華など今が旬の若手が揃っているところも魅力である。
 朝ドラで戦前から戦後にかけての人物年代記をやるにあたって、一つのヤマ場となるのが「戦争をどう描くか」というところにある。
 
 実際のやなせたかし、暢夫婦は戦後になって高知新聞社の同僚として出会っているのだが、ドラマでは戦前に叔父の家に預けられる形で崇(北村匠海)は高知にやって来て、暢(今田美桜)と出会い、幼馴染みになる。「ハチキンおのぶ」の男勝りのキャラクターで明るく元気な女の子。走る楽しさを知って、それを子どもたちに教える先生になろうとする暢。崇はそんな暢に惹かれ勇気づけられて、自らの志を貫いて美術の道へと進むことにした。
 ところが、戦時下に入って暢が 女子師範学校 で「愛国の鑑」の精神を植え付けられ、「お国のために死ぬ」教育に加担していくのだ。戦争が嫌いな崇とは正反対の位置に暢を追いやるのだ。中園ミホの脚本はフィクションとして、暢を「愛国の鑑」にさせて、戦時下の空気を体現させた。
 戦争の怖さや過ちを暢自らが体現し悩ませ、この二人に距離が生まれた。それが後に再び二人が出会う楽しみへと繋がっていく脚本は見事だ。同時に、妹の河合優実と石屋の細田佳央太のカップルに戦死と戦争への嫌悪を感じさせ、暢に疑問を抱かせるキッカケを作っている。河合優実の演技力も話題になった。
 戦争によって、多くの人間が傷を負った。それは被害者としての傷だけではなく、加害者としての傷でもあるのだ。そういう人間のダメなところを描かないとドラマは面白くならない。
 アンパンマンという世界一弱いヒーローがどう生み出されていくのか、楽しみは続く。

・『幸せは食べて寝て待て』(NHK/原作・水凪トリ/脚本:桑原亮子、ねじめ彩木) 
  出演は桜井ユキ、宮沢氷魚、加賀まりこ。
 
 『団地のふたり』(小泉今日子×小林聡美)に続いての団地ものだ。ゆるくつながる団地コミュニティは同じテーマ。
 孤独で心も体も弱っている桜井ユキが団地の人たちと「薬膳」を通じてつながっていく。見ていてストレスなく見られるのがいい。騙しも裏切りもない。
 日々のささやかな営みの大切さを発見していく
 この手のドラマは今後も求められていくだろう。

・『続・続・最後から二番目の恋』(フジ/岡田惠和) 
 
 前シリーズも前々シリーズも見ていなかったので迷ったが、見始めたら面白くて見ている。もう役者たちの世界観が出来上がっているので、安心して長倉和平(中井貴一)とその取り巻きのコミュニティを楽しめた。
 還暦間近になってもそれぞれの悩みがあり、葛藤を抱えている。それを会話のドラマとしてしっかり構築している脚本・岡田惠和の実力を感じる。人生を前向きにいつも描いている岡田惠和の人間力の温かさが感じられる。役者たちが楽しんで演じているのが伝わってくる。物語の展開で騙したり、アッと言わせたり、劇的な展開など無くても、人間が描かれていれば十分楽しい。
 『俺の話は長い』(日テレ・金子茂樹)にも通じるこういったキャラクターのある人物たちの会話劇はやはりホームドラマの鉄板だ。

・『ダメマネーダメなタレント、マネジメントします』
 (日テレ/脚本: 岩崎う大、 宮本武史、 西垣匡基)  
 
 川栄李奈、安田顕、千葉雄大など出演。17年前の子役の失敗からタレントマネージャーとして再生していく物語だが、川栄李奈のコメデイエンヌぶりが見事に開花。本音をちょっと荒い言葉で喋りまくる感じがいい。
 事務所の部長の安田顕からセリフをもらい、それを決め台詞にして相手を説得していく展開が、『なんで私が神説教』の広瀬アリスがスマホのメモを見ながら神説教するのと同じパターン。演じる。成りきることで本音が伝えられる。
 それがもらった台詞ではなく、自分の言葉として相手を説得でき、本音で相手と向き合えるかが描かれていくのだろう。
 岩崎う大が脚本を書き、千葉雄大と大東駿介がお笑いコンビとして登場した第5話は特に良かった。

・『なんで私が神説教』(日テレ/脚本:オークラ)  
 
 真面目なストレートなメッセージをコメディエンヌとして地位を確立した広瀬アリスが教師として生徒たちに伝える仕掛けは『御上先生』にも通じるものだが、こちらはそれほど社会性はない。
 イジメや排除などの定番の生徒たちの悩みが中心だ。人はどこまで他者の悩みに踏み込めるのか。
 理想の教師像が崩壊した今、もう一度生徒たちの生活に干渉し、親身に相談に乗る悩める教師を描く。ただ、伊藤淳史たちと木村佳乃たちの学内対立のドラマがつまらなく、やや後半失速した感じ。

・『対岸の火事』 (TBS/原作:朱野帰子/脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理)  
 多部未華子、江口のり子、ディーン・フジオカなど出演。
 
 専業主婦が今や絶滅危惧種であるという時代で、家事をめぐる女性の生き方、あり方を真摯に問い直したドラマ。この春、一番社会性があるドラマではなかったか。
 専業主婦の孤独、働くママの息苦しさ、仕事と子育ての板挟み、育休で主夫となった男から見た家事や子育てなど、男性と女性の多様なあり方があっていい、今の時代の家事についての提言ドラマ。
 少なくとも女性だけに家事と子育てを押し付ける時代ではないことが鮮明に示され、社会の考え方、男たちの考え方の変革を迫るものだった。

・『キャスター』(TBS/槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大)    
 
 キャスターや記者など出演者同士の騙し合い、二転三転する展開、敵か味方かも混乱する面白さはあるものの、やや「やり過ぎ」な印象。
 テレビ局を描いているのに、テレビ局が作るドラマとしてリアリティがない。とりあえず最後まで見るが、視聴者を裏切ることばかりに作り手が専心するあまり、人物像が魅力的に描かれていない。グループで脚本を書いたことの弊害かもしれない。

・大河ドラマ『べらぼう』について
 
 花魁の小芝風花、平賀源内を演じた安田顕がいなくなって、2つ山を越えて寂しくなったが、歌麿役の染谷将太や田沼意次の渡辺謙ほか、江戸の庶民文化の
 狂乱ぶりを引き続き楽しみたい。
3 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年06月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930