見聞録542

エリート、広告社会主義、そしてミーイズム、あらゆる慣習を相対化し、（闘争ではなく）そこから逃走するスキゾキッズたち。当時的にファッションが何年か遅れて日本で流行るように、フランス哲学が日本でナウなヤングにバカウケだ。バタイユが諭すように知の不在、マラルメが語るようにランガージュの不在。パレ・フランスは荒れに荒れ、そこに、ほらっ、ラフォーレ原宿の出現だ。新幹線大爆発（75）、犬神家の一族（76）、愛のコリーダ（76）、青春の殺人者（76）、と変革が発芽される。77年にホコ天、竹の子族、78年にムー一族、未来少年コナン。ぴあや宝島、アンノン族が70年代初期に早々と出現していたセヴンティーズセヴン、HOUSE ハウス（77）、八甲田山（77）、人間の証明（77）、宇宙戦艦ヤマト（77）、アタマのなかでドパーミンがドッパーーーンッ。脳ミソがチュッドーン、と高橋留美子。過剰にポップアップ。青春の蹉跌や日活ニューアクションに代わって、ベルボトムジーンズからサリエルカーゴパンツへの変身トーッ、、サリエルカーゴパンツの登場と言うにはまだ早いかな、でも竹の子族が履くパンツはまさにそれ、時代の先取りである。エイティーズはオリーブ少女に、渋谷系。まだまだドパーミンがドッパーーーンッ！オードリーヘップバーンッ！にオーガニックフードッ！カフェバーにハヤシヤぺー。アナーキーにアラーキー、カメラ片手に写真時代。ねえねえそこの君たち、なに系？セカイ系、とナインティーズ。赤瀬川源平とゴルバチョフの死から始まり唐十郎、キダタローの死へ、昭和が確実に終わりを告げる。