斎藤誠さんライブ

　桑田佳祐さんのアルバム製作やライブで欠かせない存在となっている斎藤誠さんと片山敦夫さん。その二人がモジョに来るという告知をモジョの公式サイトで見つけたとき、マジか！と二度見してしまった。そして興奮しながらモジョに電話して予約した。
　斎藤誠さんは桑田さんの青学の後輩で、サザンのデビュー前からの音楽仲間である。特筆すべきは桑田さんの代行DJを立派にやり遂げたこと。2010年8月から12月いっぱいまで、桑田さんは病気治療のためレギュラーラジオ番組「やさしい夜遊び」を休養することになった。そのとき斎藤誠さんが代行DJを勤めたのだ。
　五カ月間にわたった斎藤誠さんの番組はじつに興味深かった。青学での最初の出会いの話やレコーディングのときのエピソードなどを熱く、面白く語ってくれた。小林克也さんや小倉博和さん、岸谷五朗さん、太田光さん、内村光良さん、萩原健太さんなどゲストも毎週豪華で、ゲストの方たちが語る桑田さんとの思い出話も愉快だった。そして代行DJとしての最後の番組のとき、終了間際に斎藤誠さんは桑田さんが斎藤誠さんに宛てた感謝の手紙を朗読した。読み終わったあと、しばらく沈黙があった。ぼくはあの瞬間、斎藤誠さんはむせび泣いていたのだと今でも信じて疑わない。
　モジョでのライブは幸福なひと時だった。50ほどの座席はもちろん満席。男女比は8対2で女性が圧倒的に多かった（客席には格闘家の角田信朗さんの姿もあった）。もちろん桑田さん作詞の『涙のMidnight Soul』も歌ってくれた。会場は親密な熱気に包まれた。
『涙のMidnight Soul』収録のアルバム『BIG LOVE』も購入、サインもいただいた。