ウィリアム・フリードキン監督が亡くなった。
もっとも有名な作品は『エクソシスト』。この映画の爆発的な大ヒットは社会現象にもなり、ホラー映画ブームが巻き起こった。もちろん日本でも大ヒットを記録し、当時小学生だったぼくは映画館には行かなかった(行けなかった)が、テレビで放送される怖いシーンに恐れおののいた。ちなみにぼくがこれまでの人生でもっとも“怖い”と思った映画は『サスペリア』である。
しかしぼくがウィリアム・フリードキン作品で大好きな作品はほかに二つある。
まず『フレンチ・コネクション』。初めて観たのは高校生のとき。テレビで見た。
ポパイ刑事の執念に度肝を抜かれた。とにかくあきらめない。犯人を捕まえるためなら走る電車を車で追い、逃げるなら容赦なく打ち殺す。麻薬の密輸の情報を得ればどこまでも黒幕を追う。いったん巻かれても改めて追う。そして衝撃的なラスト。ぼくはずっとドキドキしていた。のちにフランケン・ハイマー監督で続編が作られたが、ぼくはこっちも大好きで、名作だと思っている。
そして『ブリンクス』。刑事コロンボ以来大ファンになっていたピーター・フォークが主演なので大きな期待を持って映画館で観た。この映画は大ヒットはしなかったし高い評価も受けていないようだが、ぼくは大好きだ。ピーター・フォークのユーモラスなキャラクターを生かしつつ、実際にあった現金強奪事件をコメディタッチで描いている。挿入曲『イン・ザ・ムード』が実に効果的に使われていた。
享年八十七歳。深く冥福を祈る。
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