国際密輸組織“香港−東京0ライン”の謎にいどむ二人の青年記者。極東新聞の記者の長門裕之は犯罪組織の情報屋からネタを入手して、いち早く現場に居合わせてスクープを連発している。親友の日東新聞の記者、小高雄二はその長門裕之の汚いやり方に怒りをためていく。そんな前半部はテンポよく展開し、小気味がいい。しかし、長門裕之が行方不明になって、香港への密航船に小高雄二が潜入するまでの後半部がややまったりとしてしまい、失速。最後のアクションもキレが悪い。足を怪我した長門裕之を小高雄二と清水まゆみが見送るラストは、続編でも意識したような中途半端な終わり方になっている。
長門裕之の妹であり、小高雄二の恋人の清水まゆみが愚連隊たちの車に連れ込まれて襲われ、長門裕之の持ち去った麻薬の情報をマフィァたちが聞き出そうとする場面は、車の往復が何度も意図的に繰り返される。ヤクの出場所となった整形美容外科病院の石膏マスクや美人の医者(東恵美子)などの妖しさや中国人情報屋を演じる小沢昭一のいかがわしさ。密航船の船底の売られていく娼婦や外国人移民、犯罪者たちの巣窟ぶりの描写。狭い船内でのアクション、さらに石炭部屋での格闘や電線を利用したモールス信号の仕掛けなど見どころもあるが、全体的にはやや物足りない。チャイナ服でマフィアの悪女を演じる中原早苗もちょっと弱い。それにしても清順は、「女とピストル」が好きだなぁ。
1960年製作/83分/日本
配給:日活
監督:鈴木清順
構成:棚田吾郎、伊賀逸兵
脚本:横山保朗
企画:芦田正蔵
撮影:峰重義、中尾利太郎
美術:千葉一彦
音楽:小杉太一郎
録音:福島信雅
照明:三尾三郎
編集:鈴木晄
キャスト:長門裕之、清水まゆみ、小高雄二、中原早苗、永井智雄、木浦佑三、高品格、石崎克巳、内田良平、小沢昭一、東恵美子、 千代侑子、嵯峨善兵、久松晃、初井言栄、川村昌之、野呂圭介
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