情けない初夢

　初夢というのは元旦から二日にかけて見る夢のことらしい。だからこれは初夢とは言えない。単に今年最初に見た夢というだけのことだ。ただこの十二年、目覚めたときに覚えていた夢はこの日記に書くということにしているので、ちっともいい夢ではないのだが記しておくことにする。

　僕は草野球の試合に出場することになっていて、球場のとなりの公園で試合前のキャッチボールをしている。
　で、経緯は覚えていないのだが、とにかくぼくはカンカンに怒り出す。そんなぼくをチームメイトのリリー・フランキーさんがなだめようとする。しかしぼくの怒りは収まらず、試合に出ないと言い出してそこから立ち去ろうとする。
　試合時間が迫ってきたので、チームメイトたちは球場に入っていく。リリーさんも説得を諦めて球場に入っていく。ぼくだけ逆方向に歩き出す。
　試合前のバッティング練習でリリーさんが打った打球がぼくのすぐそばに飛んでくる。しかしぼくは一瞥しただけで、すぐに歩き出す。リリーさんのバッティング技術に驚愕しつつも。

　そんな夢だった。わけの分らないその怒りのせいで目覚めた。
　あとから思うと、リリーさんがあれだけ心配してくれたのに大人げなく帰ってしまった自分がひどく小さい人間に思える。
　これが今年最初の夢かと思うとさらに情けなくなる。