豊清水駅の次に目指す駅は70キロ先の安牛駅。
先ほど見送った稚内行の列車に追いつく予定である。
稚内行は70キロを90分で走るので普通列車にしてはなかなかの俊足である。
豊清水駅から農道を美深方面に戻り、国道40号を北に向かう。
音威子府村を過ぎると国道でも除雪状態はあまりよくなく、60キロ以上になると少々怖い。
それでもなんとか70キロを走破して安牛駅へ到着する。
ここはもう幌延町内である。
安牛駅は貨車駅。
ただでさえみすぼらしい駅だが、さらにその貨車の駅舎もボロボロ。
この駅には今では1日3本しか列車が停車しない。
いかにも北海道らしい駅名であるが、アイヌ語の「ヤシウシイ」=魚の集まるところ、という意味だそうである。
近くの天塩川の漁場だったらしい。
安牛駅は大正時代に幌延まで路線延長の際に開業した古い歴史を持ち、かつては駅前には商店などの市街地があったそうだが、今は民家1つない。
完全に無人地帯のようだ。
駅前にある広場はかつて小学校が昭和56年まであったそうだが、今は記念碑のみ。
住民集会場の小さな建物があるが、使われているのだろうか。
10時21分、豊清水駅で見送った稚内行が到着。
2人の「同業」が下車したのみで、地元の乗降客はいない。
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