今観るべき映画、観るのも一興な映画

　世界中が新コロ騒動に振り回されている今、観るべき映画は『アウトブレイク』。
　冒頭、ノーベル賞学者J・レダバーグの「人類の優位を脅かす最大の敵はウィルスである」という言葉がクレジットされる。
　基本的にサスペンス調で、アクションもあるが、ウィルスの恐ろしさにちゃんと向き合ったドラマになっている。突如広がる感染症に人類はなすすべもない点も政治がからむと人命ファーストではなくなる点も今の状況に酷似している。倫理観とは何かを考えされられた。

　新コロ騒動がなければ現在開催期間中の東京オリンピック。あえてこの時期に観るのも一興なのは一九六四年の市川崑監督『東京オリンピック』。
　このときのオリンピックで有名なエピソードとして、開会式の十月十日は前日までの雨が嘘のように青空が広がったという話がある。
　しかし映画を観ていると、競技期間中はけっこう雨が降っていたことが分る。いろいろな種目で選手たちが雨に濡れながら競技している場面が多いのだ。ネットで調べたら、大会期間十五日間のうち、東京で0.5ミリ以上の降水量があった日は七日もあったようだ。
　それはともかく、たぶん当時にとっては最先端のカメラと撮影技術を駆使していると思うのだが、現代の高度な映像に慣れてしまっているので観ていてちょっとつらかった。

（写真は最近の西武池袋線のキャラクター電車）