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2019年08月03日15:57

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小さな会話、その1

 小さな会話という企画をやってみようかと思う。ほんの一言、二言の会話。その時には、何も感じなかったような日常の会話。その中に、今から思えば、と、そんな意味を見出してしまうことがある。
 小さな一言、たとえば「クリスマス・イブなんですよね」とか「どうせ酷い目に遭うんでしょ」とか「騙されてるなんて知ってたし」と、そんな一言の意味の深さについて探りながら、昭和のエロ本業界や性風俗産業、マニア世界について、小さく振り返ってみたいのだ。
 あの時代は、毎日がお祭りだった。そして、日本中がお祭りだった。そこここに出店が出ていて、カラフルなお菓子やいかにも安い玩具を売っていた。そこここで小さなギャンブルの声がかかっていた。品がいいとは言えない食べ物や飲み物を眺めていると、威勢の良い神輿が横を通り過ぎたものだった。
 しかし、お祭りは終わった。賑やかな出店はなく、道には、プラカップや割り箸や包装紙が散乱している。子供たちは、どれほど待っても、もう通ることのないお神輿を待っている。割れたお面が風で路上に転がり車によってつぶされている。たまに、高級外車のクラクションなど遠くに聞こえると、もしかしたら、祭囃子がやって来たのではないかと心が浮かれるのだが、すぐにそうではないと気付き、子供たちは再び下をむく。壊れたリンゴ飴の残骸に蟻がたかっている。
 もう、本当に、お祭りははじまらないのだろうか。
 昭和とともに、何もかもが終わってしまったのだろうか。そんな昭和のマニア世界について、書いてみようかと思う。これからのマニア世界の暗示となればと願いをこめて。
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