8月15日には「大きな一勝」というタイトルで楽しい日記を書けたことを思うと、痛恨の極みである。
今月1日、ライオンズはバファローズに8対10で敗れた。
それは単なる1敗ではないとぼくは思っている。10点取られたあと猛追したけど及ばなかったとか、乱打戦で打ち負けたというなら何とか納得できる。長いペナントレースではそういうこともあるからだ。
しかしライオンズはこの試合、4回まで8対1、6回まで8対3とリードしながら、先発十亀のあとの野田、マーティン、ヒースが全員失点を重ねピリッとせず、最後は逆転サヨナラスリーランを浴びたのだ。
前日に1対0の試合をものにしたときは、いよいよ優勝に向かってギヤチェンジかと思ったものだが、すべてが台無しになった。翌日に1対5であっさり負けたのはこの敗北を引きずったからだろう。
7月20日に元監督の森祇晶氏が西武球場に来場してトークショーを行った。そのときの様子をYou Tubeで見たら、こんなことを言っていた。
「現在首位を走ってはいるが、ここまでの戦いで、少なくともあと5勝は上積みできたはず。皆さんの中にも『今日は楽勝だ』と試合途中で球場をあとにして、あとで家で確認したら同点になっていたなんて体験をした方がいると思います」
まったくそのとおりで、1日の敗北はこの不安がいまだに解消されていないことを証明する試合だった。
優勝を目前にしながら、最後の最後にライバルチームに優勝をかっさらわれるチームがときどきあるが、もし今シーズンのライオンズがそうなった場合、この試合は間違いなくポイントの一つに挙げられるだろう。
それはともかく森祇晶氏。ハワイ在住なのに、実によくライオンズを観察している。ネットが普及した今の時代、情報収集自体はそう難しいことではない。しかし悠々自適な生活を送っている身でありながらとても細かく分析している。そして考え方がぼくと酷似している(というより、ぼくが森野球の影響を受けているに過ぎないのだが)。今シーズンの優勝の鍵を握っているのは菊池だとか、今のライオンズが整備しなければならないのがピッチャーなのは明白なので、渡辺久信シニアディレクターが秋にどう補強するかが重要、といった話には我が意を得たりと深くうなずき、久しぶりにまともな野球の話を聞けた気になった。
また、もしここにジャイアンツ・ファンがいたらごめんなさいねと前置きしてこういったときはとても幸福な気持になった。
「ぼくは20年ジャイアンツにいたが、チームに対する愛情というものを感じたことはない。しかしライオンズに対しては感じる」
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