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2018年08月31日23:21

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偽る人を−漫葉集(0009)

【訓読】
「我が命し長く欲しけく偽りを
よくする人を捕ふばかりを」(2943)
【原文】
我命之 長欲家口 偽乎 好為人乎 執許乎
【訳】
「私の命は何としても長くあってほしいと思います。嘘っぱちばからついている人、そんな方を、あとでとっつかまえて懲らしめることだけが私の生き甲斐なのです。」

「訓読」および「訳」は、伊藤博 訳注『新版 万葉集(三)』(角川文庫・2009年)巻十二より
(歌番号は旧「国歌大観」番号による)

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万葉集の中では、恋に苦しんで「死にたい」という歌は少なくないような気がする。
そのに比べると、「長生きしたい」という歌は珍しいのではないか。
しかも、長生きしたい理由が「生を謳歌したい」というのではなく「嘘つきを捕まえたい」というのだから、穏やかではない。

万葉の時代の「偽りをよくする人」とは、どのような罪人だったのだろうか。
男女の仲で偽る人だったのか、何かを騙し取るような人だったのか、約束を守らない人だったのか。いずれにしても、そうした腹立たしい人間がいたのだろう。
そして、更に腹立たしいことに、そういうような人間が「のさばって」いたのだろう。

かえりみれば、そのようなことは、今の「日本」にも言えることかも知れない。

■漫葉集-萬葉集に関する日記の目次
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◆障害者雇用「死亡職員を算入」
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