原っぱで友人とキャッチボールをする夢を見た。
かつて野球少年だったぼくは二十六歳ぐらいまでは約百メートルの遠投ができた。ホームベースから投げてフェンス直撃かスタンドインする距離である。
ところが何年かぶりに投げてみたら、自分の予想のはるか手前で地面に落ちた。それはもう、話にならないぐらい手前だった。たぶん五十メートルにも及ばなかっただろう。久しぶりに持ったボールも重く感じた。
子供の運動会で駆り出されたお父さんが足をからませて転ぶのと同じようなことがぼくの肩にきたのだ。
あまりの不甲斐なさに、ぼくはただただ呆然としていた。
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