『
心が叫びたがってるんだ。』
見る予定じゃなかったけど、今年一番のアニメだとかプロの評論家たちのウケがいいみたいなので、鑑賞。
“あなる”のキャラクターで知られる(?)「あの花」のスタッフが集結して作られたアニメーション映画。
人気漫画やラノベ原作の映画化ばかり中で、オリジナル企画が通ることが珍しい日本のアニメ業界では快挙の部類かもしれない。
何の気なしに発した一言が他人を傷つけることは、(どちらの立場かはさておいて)誰しも体験しているのじゃないだろうか。
おしゃべりな成瀬順は些細な一言で両親の離婚の原因を作ってしまったことから“玉子の妖精”に沈黙の誓いを立てさせられる。
時が経ち、同じ高校に通うのは本心を言わなかったために後悔する青春を送る坂上拓実。
キチンと告白されず人間関係に悩むチアリーダー仁藤菜月。
甲子園の夢をケガで棒に振って自暴自棄になる田崎大樹。
<言葉>をめぐって問題を抱える4人が織りなす青春群像劇。
ファンタジー的な要素も多少はあるが、等身大の高校生たちの悩みが綴られる。
王道を思わせるストーリーなので意外性には乏しいが、それだけに間口は広めになっていると思う。
(いい大人が見ると気恥しくなるような)甘酸っぱい匂いに懐かしく感じる観客もいるか。
さすがというか、定評のあるスタッフたちなので丁寧な作画や美術は安心感がある。(完成はかなりギリギリだったらしいけど、日本のアニメ業界なら通常運行でしょう。w)
学園祭の出し物でミュージカルをやる事になるのだが、「悲愴」「Over the Rainbow」「Around The World」 といった誰もが聞き覚えがあろうメロディが効果的に使われている。
まさに言葉がカギであり、その重要性は理解できるとはいえ、少し説明の比重が高すぎやしないか。
担任の音楽教師に奥行きが足りない(彼の人生が見えにくい)のと、玉子の妖精や玉子ネタをもう少し活用できなかったかな?…というのが正直なところ。
ただね、やはり気になるのは順よりダメな大人たち(両親)がいたわけで、むしろスポットライトを当てるならそっちじゃないだろうか…と。
その意味では中途半端な描き方にも思える。
先着来場者特典で劇中のミュージカル「青春の向う脛」のプログラムがもらえた。
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