『
カプチーノはお熱いうちに』
死の反対が生ならば、イタリア人にとって究極の生の証は<愛>に他なるまい。
三角関係(?)のもつれや難病というキーワードで推測する前半から一転する後半はビックリ仰天!(少しオーバーかな?)
南イタリア、レッチェを舞台に繰り広げられる人間模様。
カフェで働くエレナと親友のシルヴィア。ある時、シルヴィアの彼氏のアントニオと出会ってエレナの人生が変わり始める。
メロドラマといえば、まあそれまでなのだが、登場人物のユニークさはイタリア映画っぽい。
何より悲惨な状況でも能天気にポジティブに行動する様には、日本の閉塞感とは遠い印象。
この辺は南イタリアが舞台という特質が出ているのじゃないだろうか。
一家に災いをもたらすエレナの叔母さん・カルメラの行動に一喜一憂。
失敗を繰り返すたびに<新しい自分>に生まれ変わるという都合の良さは見習いたい。(笑)
彼女は災いももたらすが、その底抜けの陽気さゆえヒロインの助けにもなる。
幻想とも取れる白昼夢のようなあたりの後半で姿を変える。
時間軸にもトリックを仕掛けていて、強引ながら伏線を畳む。
その仕掛けに、開いた口がふさがらなかった。(良い悪いは置いといて…)
なんにせよ、イタリア人は人生を常に楽しむように出来ているんだなとつくづく思った。
肉食系のアントニオは時や所を選ばずというのはギャグじゃないんだろう。(笑)
『あしたのパスタはアルデンテ』のフェルザン・オズぺテク監督自身、カミングアウトしているだけあってか、ゲイ役の友人ファビオの描き方が実にチャーミングである。
彼の見せ場ももう少しあっても良かったか?
エレナの娘のこまっしゃくれたところも微笑ましい。(笑)
しかし、この邦題は謎だ。
確かに原題通りでも伝わりにくい…かもしれないが、これはないと思う。(汗)
試写会@映画美学校
今週末より公開。
この日は辛酸なめ子さんと、よしひろまさみちさんによるトークイベントがあった。
どちらも生で拝見したのは初めてだったが、辛酸さんはあまり喜怒哀楽を表さないタイプで、逆にオネェライターのよしひろさんはサービス満点のトークを展開。
夜11時を回る遅い時間帯だったが、残っていて良かった。
(おかげで今日は寝不足でした。www)
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