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2015年08月23日09:48

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仲恭天皇-神皇正統記(02)

『神皇正統記』の終わりの方を斜め読みしていて、オヤと思ったことがあった。
後深草院が「第八十八代」となっているのである。(岩波文庫p.150)

後深草天皇は第89代であると、僕は記憶していた。彼については、『とわずがたり』の作者である二条の愛人であるから、少し関心を持っていた。
気になったので笠原英彦『歴代天皇総覧』(中公新書・2001年)で調べてみたら、やはり「八十九代」となっていて、『神皇正統記』と食い違う。これはどうしたことかと、両者を突き合わせてみると、『歴代天皇総覧』の中の「八十五代、仲恭天皇」が『神皇正統記』には載っていない。

仲恭天皇は承久の乱の中で、4歳でご即位。ご在位は、わずか78日。そのため、「即位の礼はおろか、大嘗祭も行われないまま退位したとあって、諡号も定められず、半帝、九条廃帝、後廃帝などと称せられた。」(『歴代天皇総覧』p.213)とのこと。「歴代の天皇の中で、在位期間が最も短い天皇」なんだとか。

『神皇正統記』の作者としては、「こんなのは天皇とは認められない」ということだったのかも知れない。

実際、九条廃帝に追諡をおこなうことにしたのは明治3年になってからとのこと。

皇室の歴史は、なかなか難しい。

■神皇正統記
(01)「天」読了(2015年08月22日)
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■日本古典文学に関する日記の目次
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■後深草院二条「とはずがたり」に関する日記の目次
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