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2015年05月28日01:00

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『チャッピー』

チャッピー

 『第9地区』、『エリジウム』のニール・ブロムカンプ監督が描くAIロボットもの。
“魂”や“意識”はどこから始まるのか、人間と物質の境界線を問う。
ロボット版「ピノキオ」という向きもあろうが、“ゼペットじいさん”のまきこまれ方が異色か。

 ブロムカンプ監督の日本の漫画やアニメ好きは知られているが、特に士郎正宗(『攻殻機動隊』『アップルシード』)の影響は強いという。
チャッピーの<ウサ耳>は『アップルシード』だし、肝心な<魂の境界線>は『攻殻機動隊』に通じるものがある。
当初はロボットで警官だから、石ノ森先生の方かと思ったんだが…、そっちはまた別の映画ですな。(笑)

 登場人物にニンジャという名前があることからも日本かぶれなのかと思いきや、チャッピーと疑似家族となるギャング一味はケープタウン出身のラップグループ「ダイ・アントワード」が演じていて、バンドでの名前そのままなのだという。
きっと舞台のヨハネスブルグとともに母国の観客には親近感がわいたのではないか。
やはり子育てには親の愛情や環境の良し悪し、正しい導きが大切なことを教えられる。

 南アは治安が悪く、犯罪も多いというのは周知のこと。
となれば、トウ小平の「白猫黒猫論」じゃないが<犯罪を食い止めたら人間であろうがなかろうが問題ない>のではないか。

 それなのに、小さな利権争いを起こす人間こそ諸悪の根源なのかも…という思いが乗り移ったかのような着地点には納得する。
『攻殻機動隊』ほど深部まで進んでしまうとついていけない観客もいるだろうから、現実的な落としどころはいいところかもしれない。

 主演のチャッピーは、ブロムカンプ映画の常連<シャールト・コプリー>がモーション・キャプチャーで演じる。
愛くるしい外見としわがれたオッサン・ヴォイスにギャップ萌えを感じる。(笑)
デーヴ・パテル(『スラムドッグ$ミリオネア』)、シガニー・ウィーヴァー、ヒュー・ジャックマンと豪華共演陣に目が行く。
率直に言えば『エリジウム』から立て直した感じだけど、やはり『第9地区』は別格の思いがある。

 事前にゴアシーンカットで場外乱闘(?)があったのは残念だが、最終編集権はスタジオにあるのだろうから致し方ないか。
(もちろん、監督の編集版が見たいことには変わりない。)
ただPG12にするためという“大本営”発表はどうだろうかと耳を疑う。

フォト


 余談ながら…。
当人役を演じたダイ・アントワードのメンバーNinja とYo-Landi Visserが来日してた…。
証拠写真(?)
http://matome.naver.jp/odai/2142825560319482901/2142826205221197103



 上記でも触れたが、日本独自編集が横行してるね。
上映中の『ホーンズ 容疑者と告白の角』もその一つ。
『チャッピー』と違って公式にはアナウンスがないのと公開劇場がほとんどないので、知らない人も多いかもしれないけど、やはりゴアシーンカットです。
監督がアレクサンドル・アジャですぜ。
主演にハリポタのラドクリフをあてこんでいるから、<若い子>を引っ張ろうとしているんだろうけど、『ハイテンション』『ヒルズ・ハブ・アイズ』のアジャですよ。ゴアシーンカットしてどうするの?(苦笑)


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