『
小さな世界はワンダーランド』
BBCアースがピクサーと組んでのネイチャーもの。
小動物を生き生き輝かせる手法は互いの“いいとこどり”か。
傑作ネイチャー・ドキュメンタリーを数々生み出したBBCアース制作なので、予想の範疇といえばそうなのだが、今回も
“撮影マジック”の凄さをまざまざと見せつけられる。
主役はげっ歯類の小動物、<シマリス>と<スコーピオンマウス>だ。
まだ若い二匹が世界を知って少しづつ成長していく様を驚異のカメラがとらえる。
おそらくピクサーサイドから、見せ方や演出の助言をもらい、それに見合う素材が撮れるまで粘ったのではないかと思うのだが、どうなのだろう。
森にすむシマリスは冬を前にドングリ集めに必死。必要な量を集めないと死活問題。
しかし、外の世界には敵が沢山。そして、意外な敵の存在も明らかになる。
一方、アリゾナの砂漠にすむスコーピオンマウスも縄張り争いや難敵と戦わないとならない。
どちらも巣穴で隠れて暮らす弱い生き物。
自立の厳しさはあるものの、大人になるためには引きこもっているワケにはいかない。
これが何の教えなのかは<大人>ならよくわかるはず。
人生は短い、短いからこそ一歩踏み出す勇気が大切だ。
なんだか
野生動物というよりも立派な俳優がスタジオのセットで演じている気がしてならない。(苦笑)
まさか“驚異のフルCG”ではないと思うのだが、それほど実写とは信じられない躍動感あふれる世界が眼前に広がる。
日本版ナレーターは斎藤工が担当するが、そんな大人の事情が影響しない小さな子供にはぜひ見て欲しい。(ついでに大人も…)
小さい作品だけど、スケールは大作に引けを取らない。
44分と上映時間は短いけど感動は決して小さくない。
魔法の種明かしは無粋かもしれないが、やっぱりメイキングが見たい。(笑)
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