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2015年05月04日01:49

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『ラスト5イヤーズ』

ラスト5イヤーズ

 「同じ屋根の下に芸術家二人が暮らすのは難しい」と離婚したのは誰だっけ?
オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「ラスト・ファイヴ・イヤーズ」の映画版を見ながらそんなことを考えていた。
凝らした技巧が目を引く。
新進気鋭の小説家と女優の卵というカップルの同棲から別れまでの5年の蜜月を、時間軸を行ったり来たりしながら互いの答えを見つける。

 「こんなはずじゃない」と人生を振り返ることは誰にでもあるのじゃないか。
しかし、単に上手くいかないからゴールなのか?
原作舞台通りなのかもしれないのだが、最初から無理があったのではないのかと思うほどに理解も努力も薄い間柄に思える。これではいささか感情移入しにくい。

 登場人物が少なく、大半はジェイミー(ジェレミー・ジョーダン)とキャシー(アナ・ケンドリック)の二人の歌唱で成り立っている。
それだけにキャスティングが作品の成否をかなり占めていると思われる。
『イントゥ・ザ・ウッズ』『ピッチ・パーフェクト』での歌声も確かな舞台出身アナ・ケンドリックは頷ける選択だが、ジェレミー・ジョーダンはどうだったろう。
技術的なことではなく、なんというか…感情をメロディに乗せるのが“イマイチ”に感じられた。
好みもあろうが引き込まれるサムシングエルスを感じなかったのは私だけだろうか?

 歌唱の感情表現以上に心理を表す色彩トーンなどはよく計算されているし、編集やカメラワークなどの技術も申し分ないのだが、小さな箱庭のような作品で、こじんまりとした箱を一歩も踏み出していないように思えてならない。
一つのゴールであっても、それは別のスタートであるはず。
話の終わりが人生の終わりに感じられた。

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 有名ミュージカルへのオマージュや<ラッセル・クロウ>云々のセリフにはニヤリとしたが…。ウインク
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